一度だけ | ナノ
今日の5、6限の時間は講義は1から3年までの神話科を集めた授業です。
と朝のHRで言われ、うわもうめんどくさあ…って思った。


「うっわお前眠そうだなー」
『うるさいですよ、犬飼先輩』

何故か右隣に座っていた犬飼先輩。今はその笑顔がちょっとむかつくな。
メガネ割ったろうか。

「そういやお前生徒会入ったんだってな、なあ青空」
「ええ、」

そして何故か左隣にいらっしゃる颯斗先輩。
おいおいここって普通は1年同士で座るところじゃないの。
なんか居づらいなあ…。別に二人が嫌いだというわけではなく。
同じ科の和泉はどこか遠くの席に座っている。にゃろう!まあそこまで仲良くないからいいんだけども。

ていうか、ていうかていうか。
少し前の事を思い出す。

『元はといえば犬飼先輩のせいじゃ!』
「はあ!?」

そうだよね、考えてみればあの時犬飼先輩に飛ばされなかったら
私の生徒会入りはなかった、ハズ!

『ふっざけんなこのメガネえええ!』
「ちょ、全国のメガネに謝れ!!」
『私のメガネは先輩を指してんじゃああ!』

まさかの固有名詞!?とか、だから私は国語は苦手なんだってば。
固有名詞って何。名詞の何か?

とにもかくにも犬飼先輩の目立つ緑の頭をぐしゃぐしゃに乱す。

『すっきり!』
「あーもう…てめえはよー」
『ふっふん!』

犬飼先輩にドヤ顔を見せていたら袖を引っ張られた。
振り返ると颯斗先輩が苦笑いで黒板の方を見ていた。あ、今授業だ。
慌てて真面目に授業をやっていますよ、という態にしてみた。

幸いなことに先生は黒板の方を向きながら何かを書いていたので気付かれはしなかった。
あっぶな!

『颯斗先輩ありがとうございます』
「いえいえ、」
『この緑頭の先輩とは大違いですね!』

おいコラ、と後ろで声がしてこめかみをぐりぐりとグーで挟まれ拳を回される。痛い痛い痛い!

『ちょもう痛いです!』
「うるせえ!先輩を甘く見てるからだざまあ!「おい犬飼!話聞いてんのか!?」…スンマセン」
『ざまあ!』

てめえのせいだ、とまた頭をぐりぐりしてくる。ちょ、それ八つ当たりだよ!

「つかお前、俺と青空との態度違くねえ?」
『当たり前でしょう!犬飼先輩と颯斗先輩じゃ違いすぎますって』
「具体的にどこが」
『…性格、とか?』
「性格が一緒だったら怖ぇよ」

そりゃそうか。

『とりあえず犬飼先輩はバカ!BAKA!大事だから2回言ったよ!』
「お・ま・え・な!!俺先輩!」
『そういえばそうだった』
「真面目にやる気ないですね、二人とも(しかしこの2人はバカですね)」

神話科×3
(てめえ!!)(うひっ!ちょ…こちょこちょは!!)(2人とも煩いですよ)(スイマセン)(え、何て?漢字読めない!)(流石国語2!!)


2012.01.21 修正・加筆
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