それから錫也先輩(名前呼びの許可を頂いた)と喋っていると気づいたら3時間だ。
「もうそろそろ帰ろうか?寒くなってきたし」
『そ、ですねえ…』
もう少しだけ空を眺めていたい気もあるが、体調管理も大切なのである。
錫也先輩が差し出してきた手をありがたく掴んで引き起こしてもらう。
『ありがとうございます』
「いえいえ」
うわあジェントルメンだ…。笑顔がまぶしいぜ…。
あー…もっと眺めてたい。起き上がってもずっと星を眺めていると隣で笑い声が聞こえた。
「尚ちゃんはホントに星が好きだね」
『はい!死ねるレベルで好きです!!』
「…何か尚ちゃんは似てるかな」
誰、というのはなんとなく予想がついた。
行こうかという東月先輩の声に引かれるように隣まで行くと東月先輩が歩くペースがゆっくりになった。
『…月子、先輩にですか?』
「………うん」
『似てないですよ、私月子先輩みたいに顔とか性格とか可愛くないし』
ちょっと捻くれた意見に聞こえるかもしれないけどまあ紛れもない事実だし。
「いや…うーん…なんか言葉にしづらいけど…雰囲気とかかなあ」
『雰囲気とか一番似てない箇所じゃないですかね…私にあんなほわほわした雰囲気無理ですよ!?』
出せといわれてもごわごわしたものしか出せないと思う。
「なんだろう…俺もよく分かんないや」
ごめんね、と苦笑い気味に言う東月先輩。
『いや!月子先輩と勘違いでも似ていると言われたのは超嬉しいですからまったく問題ないです!』
てへと笑うと、でも尚ちゃんも可愛いよとなんとも恥ずかしくなるお言葉を頂いた。
ぷしゅう、と頬から蒸気でも出そうな気分だ。
嘘です。ごめんなさい
(顔真っ赤だなあ)(見ないでー!!)
2012.01.21 修正・加筆