一度だけ | ナノ
『うわああ…っ!』

屋上庭園までの道のりで空は見上げたもののやはり感動は違う。

『すっご、きれー!』
「ははっ、もしかして初めて来たの?」
『あんまり来る機会、なかったんですよねえ』

感動しながら空を見上げる。ふあああ…!しかも春先とはいえ寒いぶん空気が澄んでいてよく見える。
屋上庭園のゆかに思いっきり寝そべる。
東月先輩の足音が隣でとまり、あたしの横で寝そべった。

「綺麗だよな」
『そうですね、…月子先輩達とも見たいなあ…』
「じゃあ今度誘ってみようか、一緒に」
『え!?良いんですか?』

思わず起き上がって東月先輩に聞き返す。
もちろん、と東月先輩は笑った。
やった、楽しみにしておこ。うん、やったね。

「そういえば尚ちゃん。昨日告白されてたね」
『ぶはっ!?』

吃驚しすぎて思わず頭を床に打ち付けた。いったい。

『ななななんでそのこと…!!』
「いやあ、偶然通りかかったら見えて会話も聞こえちゃってさ。ごめんね」
『いや別にかまわないですけどね…』

てゆうか見られてたのか…。てことはその後の結果も勿論ご存知ですよね!

「付き合ったの?」
『いや誰が!て、…東月先輩結末知らないんですか?』
「うん。すぐ通り過ぎたから」

どうなったの?と聞いてくる東月先輩。

『…いや、無理です、って言って…』
「て?」
『………なんか逆上されたので一発鳩尾に蹴りいれました
いやー今思い出しても我ながら華麗な回し蹴りだったと思いますね!』

そう言うと隣の東月先輩が吹き出した。それはもう盛大に。

「ぶ…っくく!」
『えー…だって肩とか掴んできたんですもん!』
「あはは…でもそういうときは助けを呼んだほうが良いんじゃないか?」
『そんなの待ってられませんし自分でちゃっちゃとやっちゃいます』

男らしいなあ、と呟く東月先輩。
褒め言葉として受け取っときますね!


2012.01.21 修正・加筆
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