プリズムガーデン | ナノ

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私は携帯を眺めながらにまにましていた。
ああ、梓くんイケメン…!
萌えと愛が襲ってきて遂には携帯を閉じてしまった。

「…なにしてるの、」

私の一連の動作を眺めていた矢野くんが呆れて見ていた。

『襲い来る萌えに耐えているところです…!息が止まりそうだ…!』
「大袈裟だなあ…。そうだ兄さんに毎日写真を撮って送ってもらおうか」
『ぎゃああ!死ぬから!ありがとう矢野くんんんん!!』

半狂乱になって私は矢野くんにお礼を言う。矢野くんはもう虫を見るような目をしていた。
そんな目で見られたって痛くも痒くもないっての!


『矢野先輩ありがとうございます!』
「喜んでもらえて光栄、えーっと、薙弦ちゃん」

ははっと笑った矢野先輩がとてもイケメンに見えて仕方なかった。

『矢野先輩すき!』
「ああストップそれは駄目だな」

抱きつこうとした私の頭に手の平を置く矢野先輩。

「俺、要らんヤキモチ妬かれたくないし」
『?はい』

私が首を傾げて取りあえずの返事をすると矢野先輩は苦笑いを浮かべた。

「うーん、まあ知らない方がいいか…」
『えっなにどういうことですか!?』
「世の中には知らない方が良いことだってあるってこと」

ほら薙弦ちゃん後ろ、そう言われて後ろを向くと梓くんがなぜか眉間に皺を寄せていた。

『なんで不機嫌なの梓くん!?』
「…何やってんの。ていうか薙弦、矢野と仲良かったっけ」

うわああなんか梓くん怒ってるううう!
何故だか分からない私はとにかくアワアワするしかない。

「まあフツーに。そんな怒んなよ木ノ瀬」
「怒ってない」

いやその顔は怒ってる!絶対に怒ってる!
そう言うと更に眉間の皺が濃くなりそうなので言わないでおいた。

bkm


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