プリズムガーデン | ナノ

08
「兄さーん」
「桜…、ってそっちの子は彼女か何かか?」
「クラスメイト、宇宙科に行きたいっていうから」

矢野兄弟のやり取りを一応は聞きながら私は宇宙科教室内をきょろきょろと見渡す。
あれえ、梓くん居ない…。なんでと思っていると後ろから衝撃。

「ぬがっ!!」
『いたっ!』

私は前のめりになって倒れそうになるが、お腹の辺りに腕が回って身体が傾くのが止まる。

「薙弦はなんでここに居るかな…、それに翼はちゃんと前を見る!」
『梓くん…!!』

やばいときめく、梓くんその助け方はとても卑怯だと思うの!
腕の力だけで起こしてもらい私はやっと普通に立てた。

「だってその小さいのが!」
『小さい言わんでください!』

小さいっていうかあなたがでかいんだ!とぶつかった人に思うが実際私は………小さいんだけれども。

「小さいだろ十分」
「ぬははっ梓も小さいけどな!」
「つ、ば、さ…?」

恐い笑顔の後にぼこっと梓くんがでっかい人を殴った。わあ痛そう。

「ぬがああ!痛い!ちびのせいだ!」
『梓くんでっかいのが苛める!』
「だからお前は小さいだろって」

梓くんに縋りつくと直ぐに私を見捨てた、酷い。

「ぬぬっ?梓と知り合いなのかあ?」
『梓くんの…なんだろう、後輩?』
「知り合い、だろ」

そっかあ。いや内心知り合い以上がいいなあなんてちょこっと思ったけれど多くは望みません。

「翼、この小さいのが矢来薙弦。薙弦、このでっかいのが天羽翼。僕の従兄弟」
『従兄弟ぉ!?』

似てない…。主に…、主にしんちょ…何も言ってないです。なんで梓くん睨んでくるの怖いよ!

「で、薙弦は何しに来たの」
『勿論梓くんに会いに!』
「帰れ」

そんな言葉でめげたりしないけどね!
そう思いつつ梓くんに抱き着いた。

『梓くん今日も麗しいね!その綺麗に切り揃えられたぱっつん前髪が似合う人なんてそうそう居ないよ!』
「お前馬鹿にしてるだろ。貶してるだろ」
『えっなんでマジで殴る五秒前!?』

私褒めたのに!

bkm


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