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とりあえず哉太くん家から私の家へ移動。深夜11時。ごめん哉太くんに錫也くんに月子ちゃん。
『全部勝手に決めてくれちゃって、ほんと反省しろ』
「はい…」
さすがに床の上での正座はかわいそうだったのでベッドの上で正座させてあげた。これも私の優しさだ。
ちなみに私はその前で腕を組み仁王立ちだ。
『だいたいね、普通部屋とか相談して決めるもんじゃないの』
「…はい、まったくもってその通りです」
しゅん、と項垂れる一樹。
『そもそもなんでいきなりそういう話になったの』
「………俺さ、ずっとお前のこと放っておいただろ?」
二年間だか確かに放っておかれた。そうだね、と相槌をうつ。
「だからその分一緒に居てえなと思ってだな…」
『…うん』
うーん、どうにもその考えは間違った方向に進んでいる気もしないけどまあ言っちゃうと可哀想なので置いておく。
たまに馬鹿なのが可愛いのだ。
「…ていうか、俺ら成人だろ」
言いづらそうにもごもごと濁らせたが、言わんとしていることは分かった。
私はため息をつき、一樹に向き直る。
『………一樹明日から私に触るの一週間禁止』
「は!?」
『ちゅーもぎゅーも駄目です、触った瞬間同棲話はなしです。マンションもすぐ解約してきなさい』
決定事項だ、と伝えると一樹が項垂れた。
「マジかよ…」
『マジです』
「っ〜〜〜…じゃあ今日は、抱き締めるだけさせてくれ!」
土下座して頼まれた。どんだけお前…。それでも今日という期間はあと30分程度。
まあそれなら、と思いながら私は一樹に近づくと直ぐに抱き締められた。
「あー、久しぶりに夢触った気がする…」
『そりゃあ…、二年間も放置されたもん』
「…怒ってたりするか?」
恐る恐る聞く一樹に思わず笑ってしまう。
『そんなわけないのに、一樹のやりたい事の荷物になるのなんて私やだ』
「…お前のそーいうとこすげえ好きだ」
ぎゅうぎゅう抱き締められて正直呼吸ができなくなるけれどまあ我慢する。私超優しい。
あと一分と、なったときに私は解放された。
「…一週間頑張る」
『ん、一樹の本気見せてね』
気分は専ら、
一分前のシンデレラ
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