いただきもの | ナノ


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今日はあたしとPyxis、二人での仕事だった。
とりあえず無事に任務を終えてアジトに戻ると、あたし達を待ち構えていたのは明らかに不機嫌なAriesととても良い笑顔のCancerの二人。

「ただいま戻りましたー…」

「…ああ、おかえり」

「なっ、なんですかCancer!笑顔怖い!!」

「さぁ、なんでだろうな?」

二人の迫力にビビりまくったあたし達は、後ろを向いて顔を寄せ合う。

「…ねぇPyxis、あたしら何かした?」

「Capella先輩がわかんないのに私がわかると思いますか!?今回はLibraがCapella先輩と二人で行けって言ったから…!」

そう、今回の任務は、Libra直々にあたしとPyxisを指名してきたのだ。
それは他のメンバーも承知しているはずであって、AriesとCancerの機嫌を損ねるような要素はどこにも無い…はず、なんだけど。

「…Capella、ちょっとこっち来い」

「は、はい…」

低い声で呼ばれ、逆らえるわけもなくAriesに近付く。
ビクビクしながら見上げれば、肩を強く掴まれた。

「っっ!!!」

「ったく…肩貫通してるじゃねえか」

だから前に出したく無かったんだ、とAriesは溜め息を吐いてCancerに視線を向ける。
あたしもそれに釣られると、半ば強引にCancerにシャツを捲り上げられて固まっているPyxisの姿。

「やっぱりPyxisも怪我してたか」

「…私は掠めただけですもん」

「出血が酷いのには変わりないだろ?」

さっきまでの笑顔とは一変して表情を歪めたCancerは何やらAriesと頷き合って、あたし達の身体を同時に持ち上げる。

「え、わ、なに!?」

「説教は後にしとくとして、まずは応急処置だろ。特にお前はめんどくせえ怪我してきたし、当分任務には出さないからな」

「ええっ」

「Pyxisも一週間は安静にしてること。任務に出たとしても後方限定な?」

「そんなぁ…」

がっくりと項垂れたあたし達を見て、AriesとCancerは声を揃えて宣言したのだった。






お仕置きは、怪我が完治した後で
(やだやだ、Ariesの『お仕置き』はほんとに意地悪なんだもん!)
(問答無用だ)
(Cancerのお仕置き…想像したくない…!)
(ちゃーんと覚悟しておけよ?)

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