オルタナティブ | ナノ

03
『いやうんだから…ごめんて…』

私がいっくら謝っても電話の向こうの幼馴染みは理解してくれない。
なんなんだもう。どうでも良いでしょ、私なんて。

「ごめんで済んだら警察は要らねーんだよ!!」
『殺人はごめんなさいと言っても許されないでしょ。警察は要らなくない』
「誰も殺人の話とかしてねーよっ!!」

叫ばないでよね、私は電話から耳を離す。
また第二声がくるかと思っていると急に静かになる。

「なんで言わねーんだよ…、お前にとって俺らはその程度かよ…」
『…流石に私そんなこと言ってない』
「…馬鹿野郎、四人で行こうって約束したじゃねえか」
『…うん、でも約束破ってまで私は此処に来たかったの』

幼さ故、というのか。
いや多分どうでも良かっただけだな。

「じゃあ約束なんてすんな馬鹿」
『ごめん、あのときは星月学園で良いかなって』

そう、あのときは。

「…でも、応援は一応してやっから」
『うん、分かってるよ』
「たまには顔見せろよ!」

そうしてブチッと強引に電話が切られた。まったくツンデレめ。



あるとき一生こんなか、と思ったらもう止まらなくなった。

私は一生月子に縛られたまんまか、と思ったら息が詰まりそうだった。
逃げた束縛

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