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溢れ出す
「なまえちゃーん!」
『ほうあっ』

俺が後ろから抱き着くと面白いぐらい反応してくれる。
可愛いなあ、なんて思いながら更にその反応を楽しむべく次の行動に移る。

『たっ、高尾くん…!?』
「高尾じゃなくて、和成って呼んでって言ってんじゃん」

俺は名前で呼んでんのになあ、なんて残念がって言えばなまえちゃんは顔を真っ赤にする。
その顔を真正面から見るべく俺はなまえちゃんを解放して前に回った。

『か、ずなりくん』
「よしよし!それで良いのだよ!」
『緑間くんの真似?』

真ちゃんの真似をしながらそう言うと今度はふわりとした顔を見せて笑った。

「似てるっしょ?」
『怒られちゃうよ』

くすくす笑いながらそう言うなまえちゃん。

「これで眼鏡があったら完璧なんだけどなー」
『眼鏡?あ、私持ってるよ!』

そう言ってスカートのポケットから眼鏡ケースを取り出す。
その中から出てきた赤縁の眼鏡。

「あれ?なまえちゃん眼鏡だっけ?」
『いつもはコンタクトなんだけど今日忘れちゃって…』

ドジっちゃった、なんて笑うなまえちゃんにきゅんっとした。
なんでこの子こんなに可愛いんだよ。
眼鏡をかけてみると少しぼやける視界。

「ん、んー…?俺にはちょっときっついな…」
『…』
「ん?なまえちゃん?」

ぼやけているので確証はないが、呆けた顔でこちらを見ている。え、なんで。

「おーいなまえちゃーん?」
『はっ!あ、え…!』
「どしたの?具合悪い?」

俺が問うとなまえちゃんは顔を真っ赤にする。
どこに照れる要素があったんだろうか。
俺は俯いてしまったなまえちゃんを下から覗き込む、と。

「和成くんの、眼鏡格好良すぎて直視出来ない…!」

俺は君が可愛すぎること言うから自重出来ないんだけど。
溢れ出すこの想い


「なまえちゃん可愛い!もうなんなんだよくそ可愛いなー!あーもうなまえちゃんマジ好き!」
「いい加減それは聞き飽きたのだよ、高尾…!」


◎高尾和成
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