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見つめる
じっ、と宮地くんの背中を見つめる。
これは同じクラスで、そして宮地くんより後ろの席の人の特権だ。

もちろんその特権で満足しているのは私だけだけれど。

薄茶色の髪に、広くて真っ直ぐ伸びた背中。顔は黒板の方へ向けて、それからノートに目を落としてシャーペンを動かす。

立派な授業態度だ。
私とはおおちがい。だから隣に立ちたいとは思わないから見つめるだけ。それだけはどうか許してほしいかな。


『…』

そうこうしている内に、やっぱり席替えというものがくるわけで。
私は見事に一番前の席を引き当てた。
つまりは宮地くんより前の席というわけで。嬉しくない。窓際だけどほんとに嬉しくない。
一体授業中に何をしろと。

私ははあ、と重いため息を1つついた。

ちくしょう、せめて宮地くんの席ぐらい確認しておこう。
そう思って体を捻る、と。

『!』

宮地くんはこちらをガン見していた。
え、私のまえに何かあったかな。

なんて思っていると宮地くんは何故だか顔を真っ赤にして勢いよく顔を逸らした。

『?』

…変な宮地くんだなあ。
君の背中を見つめる
(なぜ!こっちを見ているんだ…!)

◎宮地龍之介/ロージーさん
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