200000 | ナノ
甘える
「なまえー」
『んにゃい?』

真夏の昼間に木陰で涼んでいるといきなり声をかけられて不可解な声を発してしまった。

錫也はころころ笑っている。は、恥ずかしい!

「なに?今の」
『し、仕方ないじゃんアイス食べてたの!』
「ふーん、そっか」

にこにこ。まさにそんな擬音が聞こえるぐらいの笑顔で私に近づいてくる錫也。
そうして何を言うかと思ったらアイスをくれ、って。

『はい』
「食べさせて?」
『………はい、あーん』

少しの間に無言の抵抗をしてみたけれどどうやら無効のようで私がそう言うと錫也は小さく口を開けてアイスを待つ。
私が錫也の口に残りのアイスを突っ込むと錫也は少しびっくりしていた。

「もう要らないのか?」
『錫也が要るならあげる』
「ありがとう」

そうにこりと笑って錫也はアイスの棒を指で挟んだ。

「なあなまえ、肩貸して」
『え、なに…』

なにしてくるのこの人、私は内心びくついていると錫也は私の隣に腰をおろして私の肩に頭を乗せた。

『…疲れたの?』
「んー…疲れたっていうか甘えたくなっちゃった?みたいな」

なんだそれ、私がそう言うと錫也は良いだろたまには、と頬を膨らました。

『もー…甘えるならもっと甘えて良いんだよ』
「う、わっ!」

私が肩に乗っていた錫也の頭を自分の太もものうえに落とす。
『寝るならこっちのが良いんじゃない?』
「…こういうのは男の特権だと思ってた」
『私だって彼氏さまの要望に応えてあげたいんです』

ほら寝てて良いよ、私がそう言うと錫也はありがとうと笑った。
甘え下手な君へ
(なまえって太もも柔らかいんだな)(………落とすよ)


◎東月錫也/はるさん
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