200000 | ナノ
巡り合う
◎(前世)ゾディアック→(現世)星月学園



入学式前、続々と新入生がやってくる中で舞い散る桜と広がる青空をぼんやり眺めていると、肩をとんとんと叩かれた。

「えぇとみょうじなまえさんですか?」
『あ、はい』

ネクタイの色は赤。どうやら上級生のようで、私は何かやらかしたかなと考えた。

「生徒会長が呼んでるんです、良かったら来て頂けないでしょうか?」
『生徒会長?…私、何かしましたか?』
「さあ?僕にもあの人の考えは分かりませんから」

ふわりと笑った桜色の髪をした先輩にどこかで見たような気がしたけれど分からなかったのでとりあえず着いて行くことにした。


「おーう、颯斗!ありがとな!」
「いえ、会長がやると言ったらやる方なのは分かっていましたので」

それでは僕はここで、私を連れてきた先輩は笑顔で会釈し何処かへ行ってしまった。
そうして彼の姿が見えなくなりさてと、て前の彼が言う。

「……久しぶりだな、」
『は、?』

私はこんな人、会ったことない。
素っ頓狂な声をあげてしまった私に前の彼は残念そうに「覚えてない、か…」と呟いた。
残念そう、ということはやはり面識があり、かつそれなりに親しかったのだろうか。

そのとき、不意に風が強く吹いて桜の花びらが一気に舞う。
私と彼の間にも当然花弁が割り込む。強い風に目を思わず瞑る。

頭に、映像が、流れ込んだ。
これは、花弁?違う、桜は、こんなに赤くない。
なに、これ。

『あ、っ…』
「なまえ!?」

頭の中にも同じ声が響いた。
知ってる。私、前に居るこの人、知ってる。

『っ、あ、や…!ア、リエス…?』
「!?なまえ、思い出したのか!?」

映像の中の私と彼の間には血飛沫が待っていた。
彼の持つ銃からは硝煙が、私の持つナイフからは誰かも知らない血が。

―――ごめんな、俺は、結局お前を傷付けることしか…!
―――…良いの、だって貴方ならまた見つけてくれるんでしょ?だったら良いの。貴方の手で、この人殺しの命を終わらせて。
―――っ、すまない…!

それが、私の最期だったようだ。
ちりちりと前に撃たれた胸が傷んだ。

『あ、なたが、アリエス…?』
「…そうだ、お前を殺した男だ」
『違う、…また見つけてくれた人よ…。忘れていて、ごめんなさい』

そう言うと彼は遅くなってごめん、と私を力一杯抱き締めた。
また、巡り合えると信じていた
(貴方なら、)(きっと見つけてくれると)

◎不知火一樹/倉田さん
捕捉
主人公はゾディアックと敵対する殺し屋で一樹は抹殺するように命じられたが好きになってしまったというお話
勝手に前世ゾディアックにしてしまいましたがご都合悪かったらご連絡ください
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