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照れる
私の彼氏はものっすごく照れ屋だ。
それはもうものっすごく。自分から抱きしめにくるくせに自分で照れているのだ。

だからと言って照れてるからやめて、なんて私は抱きしめて欲しいので言わないけども。


「………なんだよ、人の顔見て」
『え?そんなに見てた?』

哉太に声をかけられてはっと意識が覚醒する。
哉太はカメラをいじる手を止めて私を怪訝そうな顔で見ていた。

『や、哉太はすぐ照れるよなあって』
「っ…!」
『ほらもう照れた』

ね?と私が哉太に同意を求めるが当の本人である哉太は口を開けて顔を耳まで真っ赤にさせている。

『中学生か』
「う、うるせー!つーかなんなんだよいきなり!」
『えー?私哉太の照れる顔好きだなあって思って』

私がそう伝えると哉太はさらに顔を真っ赤にさせた。
もう完熟トマトだ完熟トマト。

「っ、なっなんでそんなとこ好きなんだよ!他のとことかねえのかよ!」
『他にもあるけどどこが好きって問われたら一番に思い浮かぶのは"照れた顔"だもん』
「お前ちょっとおかしいだろ…」

ガシガシと哉太は頭を掻く。あ、今のひどい。

『そんな私が好きなのは誰ですかー』
「………言いすぎた、ごめん」
『わかればよろしい』

哉太は私が怒ったらすぐ分かってくれるから好きだよ、というと哉太は「尻に敷かれている俺かわいそう…!」と顔を覆った。

『大丈夫、哉太の全部好きだから』
「っ…!」

手のひらで覆えなかった耳はまた真っ赤に染まっていた。
いつになったら照れなくなるの?
(面白くないからご遠慮したいけど)


◎七海哉太/ありあ。さん
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