「なまえさん、一緒に帰りませんか」
ふわりと微笑んだ颯斗くんがそう言う。
私は思わず筆箱を落としてしまった。颯斗くんは「おや」と呟いてそれを拾う。
『あ、え』
「駄目でしょうか?今日は生徒会がなかったのでなまえさんを待たせることもないと思ったんですが…」
『だ、駄目じゃないよ…!』
駄目なわけない。だって好きな人の、自分の彼氏さんの申し出なのだから。
「良かった、それじゃあ行きましょうか」
『う、うん』
颯斗くんが歩き出したので私はその横に並んだ。
ふと後ろを振り返ると微笑ましげなクラスメイト達の顔が目に入った。君らは私の親か。
「寒くなってきましたね」
『まだ10月の終わりなのにねえ…』
びゅうっと風が少し開いた私と颯斗くんの間を通り抜けて、その寒さに思わず首を竦めた。
颯斗くんは隣で私の歩幅に合わせてゆっくりとあわせてくれている。
「大丈夫ですか?明日からマフラーが要るかもしれないですね…」
『うーん…、でもマフラーが要るほど寒くもないもんなあ』
この辺の見極めは難しいところだ。
寒いときはマフラーが欲しくなるし、かといって巻いていると熱くなるし。
悩みどころだもんなあ、なんて思っていると颯斗くんが「あ」と呟いた。
『どうかしたの?颯斗くん』
「良い事を思いつきました」
にっこり、そんな顔で私の方へ振り向く颯斗くん。
そうして頭を傾げた私の晒していた右手に颯斗くんの左手が絡まった。
指も絡まり、いわゆる恋人繋ぎ。
「これなら少しは温かいと思いますよ」
『っ、』
心臓まで絡めとる
◎青空颯斗/なべっちさん
ふわりと微笑んだ颯斗くんがそう言う。
私は思わず筆箱を落としてしまった。颯斗くんは「おや」と呟いてそれを拾う。
『あ、え』
「駄目でしょうか?今日は生徒会がなかったのでなまえさんを待たせることもないと思ったんですが…」
『だ、駄目じゃないよ…!』
駄目なわけない。だって好きな人の、自分の彼氏さんの申し出なのだから。
「良かった、それじゃあ行きましょうか」
『う、うん』
颯斗くんが歩き出したので私はその横に並んだ。
ふと後ろを振り返ると微笑ましげなクラスメイト達の顔が目に入った。君らは私の親か。
「寒くなってきましたね」
『まだ10月の終わりなのにねえ…』
びゅうっと風が少し開いた私と颯斗くんの間を通り抜けて、その寒さに思わず首を竦めた。
颯斗くんは隣で私の歩幅に合わせてゆっくりとあわせてくれている。
「大丈夫ですか?明日からマフラーが要るかもしれないですね…」
『うーん…、でもマフラーが要るほど寒くもないもんなあ』
この辺の見極めは難しいところだ。
寒いときはマフラーが欲しくなるし、かといって巻いていると熱くなるし。
悩みどころだもんなあ、なんて思っていると颯斗くんが「あ」と呟いた。
『どうかしたの?颯斗くん』
「良い事を思いつきました」
にっこり、そんな顔で私の方へ振り向く颯斗くん。
そうして頭を傾げた私の晒していた右手に颯斗くんの左手が絡まった。
指も絡まり、いわゆる恋人繋ぎ。
「これなら少しは温かいと思いますよ」
『っ、』
心臓まで絡めとる
◎青空颯斗/なべっちさん