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「みょうじとブンちゃんはほんとに幼馴染みなんか?」
『だからそうだって言ってるでしょ。ブンちゃん卵焼き頂戴』
「お前もしつけーな、仁王。じゃあミートボール寄越せ」

3−Bの教室で仁王とブンちゃんと弁当を食べることが日常と化した最近。
仁王はまた疑うような目でこっちを見てくる。

『しつこい男は嫌われるよ、仁王』
「この前は振ってたけどな、女の敵だろぃ、こいつ」
『わーサイッテー』

私とブンちゃんが仁王を責めると「まーくんの心は粉々じゃ」と机に突っ伏した。

『こんなんで粉々とかどんな豆腐メンタルよ、それ』
「仁王きもい」
「鬼じゃ…!お前さんらは俺を労るとかないんか…!」

その言葉に私とブンちゃんが声を揃えて言った。

「『ない』」

再度仁王は机に突っ伏した。
詐欺師のくせにピーピー言ってんじゃないっての。
私はブンちゃんから貰った卵焼きを口に入れた。

『大体ブンちゃんと恋人ねえ…』
「想像つかねえ」

ねー、なー、と同意し合う私たちに仁王が机から顔をあげた。

「…お互い以外付き合うとか思わん」
「おー、なまえの隣楽だしな」
『私もブンちゃんの隣楽だよ』

じゃあ付き合うかー、まるで流れていくようにさらりと吐かれた言葉に私もそうしよっかー、と答えてブンちゃんの弁当箱からハンバーグを貰った。
切り放せない僕ら
(もうバカップルなんて爆発すれば良いんじゃ…!)


◎丸井ブン太
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