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狂わせる
遠目からだったから何を話しているかなんて分からない。
だけれど楽しい、という雰囲気はよく伝わる。

同じクラスの奴と話すなまえ。

もやもやというかどろどろとしたどす黒い感情が沸き上がる。

なに話してるんだ、誰と喋ってるんだ、なんで笑ってるんだ。
お前は、俺の彼女じゃないのか。


教室に乗り込んで一直線になまえのところへ。

「なまえ」
『あ、錫也くん』

どうしたの、とへらりとした顔をこちらに向ける。
いつもなら可愛いな、としか思わない顔も前の男に向けていたという前提で苛々としかしない。

「ちょっと良いか」
『あ、うん…』

席をたつなまえの手を掴んで半ば強引に連れ去った。


見つけた適当な空き教室に連れ込む。
壁に追い込んでどんっと両手をなまえの両側についた。

『す、ずやくん…?』
「なに、喋ってたんだ?」
「錫也くんには言っても分かんないよ?」

俺の雰囲気に少し恐怖を感じているのかなまえは自分の拳を少し強く握っていた。

「俺には言えないこと?」
『っ、ちが…!最近読んだ小説のこと、だよ…』
「そうなんだ、」

なあなまえ、俺は壁につけていた手をなまえの頬にやる。
頬を撫でるとなまえはびくりとして目を瞑る。

「なまえ。言葉には気を付けた方が良いよ、」

じゃないと俺、何するか分かんないから。
そう言うとなまえは揺れる瞳で俺を見た。

「分かった?」
『っ、』
狂わせたのは、君だろう

俺はなまえの首筋に顔を寄せて、そこを強く吸った。


◎東月錫也/紫銀さん
ヤンデレあってますか^p^
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