『あ、かしくん…?』
トントン、とバスケットボールが床を叩いて次第に転がる。
壁に追いやられた私を赤と金色の隻眼が上から射抜くように見つめている。
「…赤司、じゃない。言えるだろう?俺の名前」
なんで、こんなことに。
私は持っていたバインダーを抱き締めた。
今はこんなものに頼るしかできない。
『な、んで…』
掠れた声しか出てこない。
赤司くんは私の両側に手をついて口端をつり上げる。
「なんでじゃない。俺の命令は?」
この部活にマネージャーとして参加したときからの掟、赤司くんの命令は絶対なのだ。
『せ、いじゅうろうくん…』
「それで良い」
ふわりと笑った赤司くん。それでも私の前から退いてはくれない。
なんで、こんなことに。
だって私と赤司くんはただの部員とマネージャーで。
今日だって自主練付き合ってくれ、ってそれだけだったはずなのに。
それ以下でもそれ以上でもないはずなのに。
『なんで、こんなこと…』
「愚問だな。好きだからに決まっているだろう」
私の髪を赤司くんが撫でる。
『っ、』
「分かってるのか?お前は俺に選ばれた時点で拒否権なんてない」
分かってるな?そう問いかける赤司くんに私はゆっくりと首を縦に振るしかなかった。
選択肢は頷くのみ
安心しろ、そう言って赤司くんは笑う。
「いつ付き合おうが結局お前は俺に溺れると決まってる」
所詮は彼の絶対王政なのだから。
◎赤司征十郎(krk)
トントン、とバスケットボールが床を叩いて次第に転がる。
壁に追いやられた私を赤と金色の隻眼が上から射抜くように見つめている。
「…赤司、じゃない。言えるだろう?俺の名前」
なんで、こんなことに。
私は持っていたバインダーを抱き締めた。
今はこんなものに頼るしかできない。
『な、んで…』
掠れた声しか出てこない。
赤司くんは私の両側に手をついて口端をつり上げる。
「なんでじゃない。俺の命令は?」
この部活にマネージャーとして参加したときからの掟、赤司くんの命令は絶対なのだ。
『せ、いじゅうろうくん…』
「それで良い」
ふわりと笑った赤司くん。それでも私の前から退いてはくれない。
なんで、こんなことに。
だって私と赤司くんはただの部員とマネージャーで。
今日だって自主練付き合ってくれ、ってそれだけだったはずなのに。
それ以下でもそれ以上でもないはずなのに。
『なんで、こんなこと…』
「愚問だな。好きだからに決まっているだろう」
私の髪を赤司くんが撫でる。
『っ、』
「分かってるのか?お前は俺に選ばれた時点で拒否権なんてない」
分かってるな?そう問いかける赤司くんに私はゆっくりと首を縦に振るしかなかった。
選択肢は頷くのみ
安心しろ、そう言って赤司くんは笑う。
「いつ付き合おうが結局お前は俺に溺れると決まってる」
所詮は彼の絶対王政なのだから。
◎赤司征十郎(krk)