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戯れる
『かーずきくーん』
「なんだよ」

暇だよ、そう言うと一樹くんは眼鏡をかけた顔でしかめっ面をする。

「こっちは受験勉強で忙しいっての」
『大変だね!』
「他人事だな」

私はもう就職先に内定貰ってる。
片や大学進学の一樹くんは受験勉強の真っ盛りだ。

「お前は暇でも俺は忙しい」
『もーじゃあ帰る』

帰ると言っても自分の寮の部屋なので5分とかからない。
鞄とベッドに寝転んだせいで少しシワがついてしまった制服を叩くと待て、と声がかかった。

「いま暇になった。構ってやるから来い」

なんだその上から目線腹立つ。
けどあれだ。一樹くんに惚れている私はそろそろと一樹くんに近寄る。
そのにやりとした笑顔もうざったいがかっこいい。イケメンは何でも決まるのだから得だ。

隣に腰を降ろすと一樹くんの左手が頭に回って首が傾いだ。
導かれたのは一樹くんの肩の上。
いきなりされたから凄く怖かったんだけども。

『…膝枕が良い』
「そしたらお前寝るだろ」

バレバレだ。
だって昨日遅くまでパソコンしてたんだ。

『良いじゃん寝させてよ』
「駄目だ。せっかく暇になってやったんだから構え」

なんだこの野郎。

『仕方ないから構ってあげる』
「おう、構え」

そう言いつつぎゅうっと抱き着いてきた一樹くんに私もぎゅうっと抱き着いた。
戯れの昼下がり


◎不知火一樹/スピカさん
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