いっしゅうねん! | ナノ


1時間、1日、1週間、1ヶ月、1年。
そうやって吹雪さんと離れてからの時間を指折り数えた。

「4年後に会おう」そう約束したのは確か吹雪さんが中3で私が中2のときだった。

吹雪さんは白恋で私は雷門。
会えたってそう長くは会えるまい。
中途半端に会う位なら、と私は会うことを拒否した。(勿論、会いたくない訳じゃない)
私の我儘に近い言葉を吹雪さんは笑って頷いてくれた。


4年後に会おう、その約束はまだ有効なのだろうか。
ぎゅうっ、と拳を握る。

私は自分の卒業式が終わってから直ぐに空港までやってきた。
チケットはもうとっている、あとは飛行機に乗って北海道まで飛ぶだけだ。
会えたら、なんて言おう。
そんなことを考えながら電子板を見上げていた、ら。

「なまえ、?」
『…ふ、ぶき…さん』

覚えているのよりも少し低い声が自分を呼んだ。
会ったらなんて言おう。―――何も、言えるわけないじゃない。

「やっぱりなまえだ」
『っ…な、んで…?』

目の前に居る吹雪さんは身長が伸びていて、何だか記憶の吹雪さんとは違っていた。
でも、ふんわりと笑う雰囲気だとかは全く変わっていなくって。
もうとりあえず何が何だか分からない状態だ。

「何でって…約束したでしょ?四年経ったら会おう、って」

我慢できなくてこっち来ちゃった。
ふふ、と笑う吹雪さん。

『うえ…っ!!』
「ええ!?なんで泣くの!」
『ばかあ…っ!』
「馬鹿!?…感動的再会のはずなのに全然感動的にならないよ…!」

あーもう…でもなまえだししょーがないか、と困ったように笑う吹雪さん。

「なまえは、僕に会うの嫌だった?」
『っ…そんなわけ、ないじゃないですかっ』

嫌なわけない、そういう意味をついでに込めて吹雪さんに飛び付いた。
色々手だとか身長とだかが大きくなった吹雪さんは揺らぐこともなく私を抱き締め返した。

『いきなり来て吃驚しました吹雪さんの馬鹿カバ!』
「(かば…)吃驚させたくってさ」
『まんまと引っ掛かりましたよ馬鹿!』
不意討ちラバー
(あはは、可愛い)(っ〜〜〜…(吹雪さん凄いかっこいい…!))


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