いっしゅうねん! | ナノ
3センチ
やばい、この状況、どうしよう。
今日は月子と生徒会一同とお出かけ(という名の買い出し)したのだ。
買い出しして、時間があったから洋服見に行ったり、雑貨屋さんに行ったりととりあえず楽しい1日を過ごしたわけ、だったのだけれど、
「すー…すー…」
この状況、一体なにこれ、どうゆうこと。
隣でこくこくと電車の揺れに合わせて頭を揺らすピンク頭こと颯斗くん。
前の座席にはニヤニヤ顔の会長と翼、それとニコニコ顔の月子。
くっそ会長と翼あとで覚えとけ!!まじぶっころ。
乗った時、微妙に空いていない電車で偶然3つ席が空いていたので私と月子と翼が座っていた。
途中、喉が渇いたので颯斗くんと共に自販機で5つ飲み物を買って戻ると
私の座っていたところには会長が、そして反対側の座席には狙ってんのか、と疑うぐらい二人分のスペースが空いていたのだ。
「おうお前ら!そっちの席空いてるから二人でそっち座れ!」
この瞬間から会長フルボッコが決定した。
そして空いた隙間は3センチ。
颯斗くんを慕っている私にとっては心もとない隙間だ。まじ勘弁。
疲れていたのだろう。颯斗くんは座って3分もしないうちに寝てしまったのだ。
良いのやら悪いのやら。
あああ…!早く駅に着け!むしろ駅が来い!
という無理なお願いを心の中でしてみたところでどうにもならない。
困り果てていたら、 ガタンッと電車が揺れた。
そのせいで、颯斗くんのゆらゆらしていた頭がこちらにこてりと傾いた。
ぽすり、と収まるかのように私の肩に颯斗くんの頭が乗った。
え。
肩枕。そんな状態。
颯斗くんが疲れているのなら起こす訳にもいかない。
埋まる3センチ
(颯斗くんが起きたら、)(私どうすればいいの…!)
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