いっしゅうねん! | ナノ


秘密だよ、と君は笑うのだ。


久しぶりに保健室を訪れてみるとなまえがなにか楽しそうに喋っていた。
なに喋ってたの?と、僕が聞けば

『秘密、ですよねー』
「…だな」

と笑った。しかもその相手が琥太にいなんて最悪。
あー、嫉妬なんてする主義じゃないんだけど。

『水嶋先生こそどーしたんですか?』
「どーしたって寄ってみただけだよ?なまえが僕に会いたいんじゃないかって思ってね」
『あはは、自意識過剰もいい加減にしとけって話です』

どうやらこの子ってやつは僕を手玉にとりたいらしい。

「君は素直じゃないね」
『わ、その用語は水嶋先生にはいっちばん言われたくないですー』
「だな。郁だけには言われたくない」

琥太にいも便乗して僕をおちょくる。ふざけてる。
ていうか何より一番気に入らないのはなまえと琥太にいが結託しているということだ。
なまえは、僕の彼女なのに。

「ちょっと来て」
『わ、ちょっと…』
「おいおい郁…乱暴は良くないぞ」

乱暴じゃないよ、と返して#name13を保健室から連れ出す。
なまえ(と琥太にい)の手の上で踊るのは少し腹が立つけど、仕方ない。

「…なまえは琥太にいと何話したの?」
『…秘密ですうー』
「言わないと、」
『言わなくったって分かると思いますけどね』

そんなこと言うのなまえは可愛くない。
けど、膨れっ面で頬を赤らめながらそれを言うなまえは可愛い。

「僕の話?」
『………』
内緒にならない内緒話
(可愛すぎて)(なんかもう色々降参だ…)


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