Halloween | ナノ
郁先生と


「trick or trick.」
『………はい?』

私は自分の耳を疑った。
そう、ハロウィン定番の挨拶のはずなのに。何かがおかしかった。

『あの…、郁先生?それの和訳をプリーズ』
「悪戯と悪戯、どっちがいい?」
『意味がわかりません!』

遂に日本語まで分からなくなったの?と言う郁先生。
いや分からないのは貴様の頭の中である。

「だってなまえはドMだから悪戯の方が良いでしょ?」
『誤解を招くようなことを言わないでください!』

誰がドMか!私はドNです!

「まあ良いや。ほら、悪戯してあげるからこっちおいでよ」
『要らぬ!!』
「ふはっ、なんか威嚇してる猫みたいだね」

おーっと馬鹿にされてるうざっ!
郁先生から離れたところへ後ずさりしていると一歩一歩と郁先生も詰めてくる。

「もう、…どっちにしたって悪戯するんだから勘弁してくればいいのに」
『ハァ!?』
「ハロウィンでお菓子貰うだけなんて、つまんないじゃない」


お菓子より、君の悪戯が欲しいんだ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -