Halloween | ナノ
翼と
「なまえ!!トリック オア トリートなのだー!!」
『うきゃあ!!』
後ろからどかーんと追突されて、ハロウィン定番の台詞を言われる。
うーん突進がなかったら百点満点ですよ、翼。
『もー…はい、ドーゾ』
「ありがとなのだー!」
『むがっ!』
クッキーを入れてラッピングした袋を手渡すと
大仰に喜んでぎゅうぎゅうっと私を抱きしめる翼。
正直、あの…意外にある胸板に押し付けられ呼吸ができなくなる。
『翼!苦しいから!!』
「ぬがっ!ごめんちゃい…」
ほんとはちょっぴり怒っちゃおうかと思ってたのだけれど、ね。
しゅん…とする翼があまりにも可愛いから結局、許しちゃう。
『良いよ。でも、今度は力考えてね』
「わかったのだ!」
そうしてまた翼は今度はすこしだけ力を弱めて、私を抱きしめるのだ。
『あっ!』
「えっ?」
『クッキー粉々!!』
「ぬああああ!!!」
私と翼の間に挟まれたクッキーは見事に木っ端微塵に、なってしまった。
「ごめんちゃい…」
『また作ってくるよ』
「なまえ大好きなのだ!!」
ハロウィンじゃなくったて、君の為ならいつでも