Halloween | ナノ
四季先輩と


「…なまえ、treat or treat.」
『…四季先輩?お菓子だけで良いんですか?』

少し肌寒くなってきた10月ももう終わりになる。
そう尋ねると、四季先輩はこくりと頷いた。

「俺、………なまえに悪戯しない、から…」
『先輩…可愛い…』

やだなにこの先輩兼彼氏。可愛すぎるやだもうきゅんきゅんする。

『はい、どうぞっ!』
「…ありがと」

その場で早速袋のリボンをほどく四季先輩。
四季先輩の感情表現は、なんというか…分かりづらいけれど喜んでいてくれてるらしい。
うんうん、夜からクッキー作ったかいがありました!

『ふあぁ…』

そうそう、今日はそのせいでちょっと寝不足なんだよなあ。
欠伸を噛み殺すのを忘れて大きな欠伸が飛び出る。

「…なまえ、ねむい?」
『ちょっとだけ』
「………」

クッキーを食べるのをやめた四季先輩。
あれ。おいしくなかったのかなあ、なんて思っているとぎゅうっと抱き締められた。

『し、四季先輩!?』

未だにこういういちゃつきに慣れていない私は大慌て。
四季先輩は気にせず体をぐいーっと倒していく。

どさっ、と体が着いたのは芝生のうえで。

「………寝て、いい」
『え?』
「俺も、寝るから…寝よ」

そう言って早速目を閉じた四季先輩。
え、え。要は寝ろと。

「なまえ、元気ないの…俺、嫌」
『…じゃ、お言葉に甘えて』

私はそのまま四季先輩の腕を枕にして目を閉じた。


ゆるゆるな顔の表情は見られてないと良いな。


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