100000 | ナノ
誰にも

「なまえちゃんかーわいー!!!!」
『う、え…!?な、なんで居るんですかあ!?』

背後を振り返ると月子先輩以外にも羊先輩、哉太先輩が居た。
ぎゃああああ!!なんで居るわけ!

そんな私はというと、いつもの星月学園の制服とは一変してメイド服というあれだ。
思わずスカートの裾を握って伸ばす。

「みょうじ!それは煽るだけだぞ!!グッジョブ!」
『うわああ!!』

後ろでクラスメイトが変態発言を平気でかましてくる。
それに加えてバシャバシャッという音とかピロリーンとかそんな音が何回か聞こえた。
執事服の集団が写真撮るっていうのも異様な光景だ。(うちは執事(メイド)喫茶だ)

『とっ、撮るなあああ!!』
「いやーこれは俺らのクラスにとって立派な利益だわ」

女子万歳、とか言いながら早速データをパソコンに取り込んでいるクラスメイトに殺意が芽生えた。
メイド服だって渋々着たのだ。これ以上の羞恥など…!

『…もうやだこのクラス…』
「なまえ!嫌なら僕と一緒に居ようよ!」

ぎゅっと右腕を抱き締めるように捕まえたのは羊先輩だった。
え、なにそれそんなの良いの。
やっぱり駄目らしくクラスメイトからブーイングがあがる。
え…正直着替えたい…!と思っていると今度は左腕が掴まれる。

「駄目に決まってんだろ!つーかお前が独占してんじゃねーよ!」
「なに哉太嫉妬?」
「ばっ!何言って…!」

私を挟んで喧嘩しないでください…!!!と思っていると今度は後ろから衝撃。

『ふぉ!』
「二人とも駄目!なまえちゃんとは私が一緒に居るの!」

後ろから抱きついた月子先輩はクラスメイトに「いいよね?」とマドンナの微笑み攻撃を繰り出した。
さすがに弱ったらしいクラスメイト。
これは哉太先輩と羊先輩には仕えないね!!

「ね、良いよね!なまえちゃん!」
『え、…え、っと…』
「哉太と羊くんは二人で行動すれば良いじゃない」
「月子!それはないよ!!」
「どんな罰ゲームだよ…!!」

三人が私をほっといて口論をする。え、私の意志は尊重してくれないんですか。
着替えてきて良いですか、そう申告するとクラスメイト含め三人は声を揃えて駄目!!と言う。何故し。需要ないですよ。

とりあえず方向は月子先輩優勢みたいだ。
さすがマドンナ!コワイネー!と思っていると、視界が黒く染まった。

『え、』
「お待たせ」

そう言って微笑んだのは今まで居なかった錫也先輩だった。
しかも、執事服に身を包んだ錫也先輩だ。
どうやらクラスメイトの一人から強奪…ならぬ拝借してきたらしい。後ろに一人だけ制服姿で苦笑いなクラスメイトが居た。

「これで、クラスの宣伝してくれば問題ないと思うぞー」
『ああ…だから執事服…。いや納得してどうする自分!』
「そうだそうだ!錫也ばっか良いとこもっていきやがって!」

後ろも右もそうだそうだ!と声を揃える。
うわあ…、てゆうか私四方囲まれて身動きとれない。
どうしよう、なんて思っているとふわりと足が浮く感覚。

『え、』
「こんな可愛いなまえ、」
誰にも見せたくない、かな
(悪戯に笑う君に)(ノックアウト)



◎琉那さんリクエスト
春組+月子/「型」と同じ夢主で灰々/四方八方ぎゅう

もう春組っていうか錫也ですね!←
琉那さんが錫也さん好きさんと分かったので軽く好き勝手にやらせていただきました!
楽しかったです^ω^誰得?俺得
マジ錫也さんは勇者だと思います
恥ずかしがるヒロインに容赦はないです!そうドエs(ry←

リクエストありがとうございました!


2011.12.13 望


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