100000 | ナノ

「む、みょうじ…」
『宮地…?』

私が弓道場に向かっていると制服姿の宮地に遭遇した。
あれ、今日って部活じゃ…。

「今日は部活だ。俺は少し遅れて行くだけだ」
『…教えてなんて言ってない』
「顔に出ていたぞ、お前は分かりやすいからな」

分かりやくなんてないわよ、そう言うと宮地はそうかと笑った。
くっそ絶対馬鹿にしてるわ!!!


「それより、その右腕のバスケットは差し入れか?」
『べ、べべつに宮地のためとかじゃ…っ!!』
「む、そのぐらい弁えてるぞ。どうせ夜久のだろう」
『………宮地の分もないことはないけど』

そう言うと、宮地はふっと笑い。

「お前の作るものは美味いから俺は好きだ」
『っ、褒めたって宮地のなんて月子のついでだから!』

そう言うと宮地はまた笑った。
なんなのよこいつ…!


それから、着替えに行った宮地と別れて私は弓道場のなかに入る。

『月子ー!』
「あっなまえせんぱーい!」
『へあっ!?』

私は月子を呼んだはずなのに何故か飛び付いてきたのは最近スキンシップが激しい木ノ瀬くんだった。

いきなり抱き着いてきた木ノ瀬くんに私は思わずバランスを崩す。
転ける前に弓道着姿の木ノ瀬がしっかりと抱き留めたが。

『き、木ノ瀬くん!?な、にして…っ!』
「真っ赤ななまえ先輩可愛いです!」

そう言いながら木ノ瀬は私にぎゅうぎゅう抱き着く。

『やだもう離して!』
「嫌です」

即答する木ノ瀬に私は思わず口を開ける。
な、なんなのもうっ!

木ノ瀬くんは私の気持ちなんかは無視して抱き着いている。前世はくっつき虫とかじゃないの、ねえちょっと。
どうしようこれと思っていると木ノ瀬くんの後ろから、

「木ノ瀬っ!!お前はまた懲りもせず!」
「いたっ」

律動的な足取りで私に抱きついている木ノ瀬くんを叩いたのは宮地だった。
お陰で解放してもらうことが出来た。私は宮地の後ろに逃げる。

「大丈夫だったか」
『うん、宮地のおかげ』
「そうか。…お前が無事なら良い」

木ノ瀬くんは宮地に叩かれた箇所を擦りながら宮地を睨んだ。

「なにするんですか宮地先輩…、痛いんですけど」
「お前が神聖な弓道場で破廉恥な行為をしているからだ!!慎め!!」
「自分が出来ないからって男の嫉妬は見苦しいですよ」
「な…っ!!」

喧嘩が始まりそうな雰囲気だったので私は宮地に思わず抱きついた。

『宮地!落ち着いて!!』
「っ…!!!」
「あああっ!宮地先輩ずるい!!」「おま、お前というやつは…っ!!!」


あれ、余計に、騒がしくなったような荒れたような気がする。

「そういうことを気軽にするんじゃない!!」
『え、は…?そーいうことって…』

どういうことよ、と問いかけようとした私はふと、気付く。

『あああっ!!宮地なにして…!』
「こっちの台詞だ!おま、お前がいきなり抱きついて…!!」
『私のせいじゃない!!』

ちがう、だって宮地と木ノ瀬くんがもめてて思わず動いちゃったんだから私のせいじゃない!

『だ、だいたいなに顔真っ赤にさせてるのよ!』
「っ…」
「なまえ先輩、そんな変態の近くに居ないで僕の側に来てくださいよ」

そう言う木ノ瀬くんにお前には言われたくない!と宮地が一喝。

「大体、お前はこんなこと気軽にするんじゃない…!」
「そうですよ、するんなら是非僕に」

そう言いながら木ノ瀬くんはこっちに寄ってくる。

「やめとけ。変態がうつるぞ」
「え?それ宮地先輩が言います?ねえなまえ先輩?あ、ていうかそれ差し入れですか?」

右から宮地に、左から木ノ瀬くんに触れられ私の顔はきっと真っ赤に違いない。
苺の取り合い
(酸っぱいのか、)(はたまた甘いのか)


◎黒哉さん
梓vs宮地/甘い台詞の言い寄り/甘(ギャグ)/天然なツンデレ夢主

遅くなってしまい大変申し訳ないです…(´・ω・`)

お分かりかもしれませんが
ツンデレは私にはまだ難易度が高かったようです(´^ω^`)←

しかもあんまり甘くない…!!
誰か砂糖をぶちこんで!!!!←

あまり応えられなかったですが気に入らなかったら書き直し随時受け付けておりますのでっ!!

リクエストありがとうございました!!


2012.05.10 望


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -