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どっちも

廊下で綺麗な翡翠色の髪を見つけたので後ろから声をかけた。

『琥太郎先生!』
「ああ、…みょうじか。どうした?」
『どうしたって…それは琥太郎先生の方ですよ、スーツなんか着てどうしたんですか』

いつも見る白衣にストールではなく、驚きのスーツだ。

「ああ…、話し合いみたいなもんがあっただけだ。まったく…窮屈で堪ったもんじゃない」
『あはは…仕方ないですよ、理事長ですもんね』

スーツじゃなかったら良いんだがな、なんて苦笑する琥太郎先生。
えー…でも、スーツの琥太郎先生も元が長身で顔も整っているからかっこいいのに。
じーっと見てるのが分かったのか琥太郎先生が意地悪い笑顔を浮かべる。

「なんだ?見惚れてるのか」
『なっ、んなわけないじゃないですか!』
「ほんとかあ?」

絶対からかってやがる、このぐうたら先生!
確かに見ていたのは事実だけれど見惚れてなんかない!…多分。と、思っていたら頬にふにっとした感触。
え、と思っていたら私から琥太郎先生の顔が離れていく。え、え…ちゅーされ、た?!

『っ、人で遊ぶのはやめてください!タチが悪い!』

私は琥太郎先生の(多分)ちゅーされた側の頬を自分の手で押えた。

「悪い悪い、ついなー」
「俺のかわいーい後輩で遊ぶのはやめてくださいよ、星月先生」

後ろから、首に腕が巻きついて身体の重心を後ろに傾けられる。そして頭の上になにかが乗る。

「…不知火か」
『え、あ…一樹会長?』
「おうそうだぞー、お前の大好きな一樹会長だぞー」

相変わらず小さいな、なんて笑いながら私を更に抱き締める。

『小さい言わないでください!なんなんですか二人してこのやろう!』
「お前からかうの楽しいんだよ、反応が面白いから」

私はショックを受けた。
大の大人がこんなこと言うなんて!しかも教師のくせに!

「それに関しては同意します、が…こいつをからかっていいのは俺だけです」
『ええ!?なにそれ何言っちゃってんの!?』
「だな。みょうじをからかっていいのは俺だ」

いやあんたも何を申してるわけですか!?私はあんぐり口を開けるしかない。
何なの、なんでこの人たちアホなの。

『いやだから…っ!』
「な、俺だよな、なまえ」
「だから俺だろ?みょうじ」
どっちもお断り!
(ていうか不知火、さっさと離せ)(それより先に保健室で頬を消毒させましょうか)


◎歩さんリクエスト
一樹vs琥太郎で取り合い

リクエスト遅くなってしまい申し訳ないです…!

キスとか抱き締められたいという要望でしたので
全部ぎゅっぎゅっと詰め込みました(`・ω・´)キリッ
前回のリクが一樹でしたので今回ちゅーの方は琥太郎先生になってます(笑)
取り合いなんて初めて書きましのたでちょっと不安です…!

リクエストありがとうございました!

2012.03.18 望


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