100000 | ナノ
紅葉

『…終わった!』
「なまえお疲れ様、コーヒーでも淹れる?」

そう言う梓先輩に甘えて私はコーヒーを淹れてもらう。
あとはもう衣類が入ったダンボールのみだ。こんなものは明日以降でもどうにもなる。

と、いうわけで私はそのまま私の部屋となった床に寝転んで梓先輩がコーヒーも持ってくるのを待った。
手伝うなんていう言葉は私の辞書にはない。ごめん先輩甘えちゃいます。


コーヒーがやって来て私は起き上がり、有難く受け取る。

「初めてのアメリカはどう?」

私好みの甘い味のコーヒーを啜りながら梓先輩の質問にちょっとだけ考える。

『んー、英語が得意でよかったと心から思いましたね!』
「なまえ英語だけは得意だからなあ」

だけってなんですか。だけって、と反論しようかと思ったけれど実際のところホントに英語だけだったので文句は言えない。ちくしょう天才め!

『それに、近くにちょうど天文関係の仕事があってよかったですー』
「そりゃあまあ…近くに宇宙センターがあったら多いと思うけど」
『んー…それに、…なんだかんだで梓先輩の仕事に関われてよかったなー…とか思ってたりなかったりするんですけど、ね』

うわあ、恥ずかしい…!なに言っちゃってんのええ!?
確かにこれは本心なんだけどもでもなんか凄い恥ずかしいことを言ってしまった気が…!
うあああ…っ、と悶えているとまだコーヒーの入っているマグカップが自分の手の中から消えた。

『え…?』
「なまえ、ちょっとこれは没収」
『え、なんで…私まだ全部飲んでないのに…!』

コト、と小さな音がしてテーブルの上に私と梓先輩のマグカップが並べて置かれている。
なんで…?と思っていると正面からぎゅうっと抱き締められた。えええ!?

「思わず抱き締めたくなるよーなこと言うなまえが悪い」
『ええ!?なんで!?どのへん!?』
「この無自覚め…。とりあえず、」

梓先輩は私を放し立ち上がる。そしてまた抱き締められる、と。
ふわり、と身体が浮いた。

『え、っ』

わけも分からずされるがままの私。
梓先輩は得意のあの不敵な笑顔を私に向ける。この笑顔のときは十中八九嫌なこと考えてる笑顔だ…!

「教えて欲しいでしょ?…ベッド、いこうか?」
『…!?、…え、!?』

思わずその言葉の意味を考え、真っ赤になってしまった私に梓先輩はくすくす笑う。

「疲れてるから寝かせてあげようと思っただけなのにー」

思わず手が出た。後悔はしてる、でも反省はしてない。
頬に紅葉
(…痛い)(梓先輩がからかうから…!)(なまえからキスしてくれないと治らない)(ええ…っ!?)


◎晴香さんリクエスト
梓で「ベッドにいきますか?」/ギャグ甘

リクエスト遅くなってしまい申し訳ないです…!


ギャグというよりただの甘甘になってしまったような気が…!
ちなみに一個下の彼女が学園を卒業してアメリカにきた感じの話です!
たまに翼の爆発で部屋を壊された梓が泊まりにくればいい(´^ω^`)←

リクエストありがとうございました!(´▽`)

2012.03.24 望


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