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君の口


『か、ずきさん?、』
「ん?どうした?」
『あ、え…と、なんでもないです』

言えるわけないじゃない。
眼鏡を外しながら私の声に反応した一樹さんの机の上にはまだまだ厚みのある書類がたくさん。

言えるわけ、ないじゃない。
"構って欲しい"だなんて。ガキみたいな我侭。
だって一樹さんがいましている仕事。邪魔しちゃいけない。

『…おやすみなさい』
「待て、」

踵を返して寝室のほうへ行こうとすると袖をくいっと引っ張られた。
はい?と返事する間もなく下へ引っ張られどこかへ収まる。
背後から回ってきた腕に後ろから抱きしめられたと確信した。

「なんでもない、わけないだろ?」

ばれちゃってる。学園時代からまったく変わらない。
どうせ私は隠すのがうまくないですよーっだ。
頭上から降ってきた余裕のある笑みを含んだ声に頬を膨らます。

『なんでも…ないですもん』
「はいはい、正直に構って欲しかったって言えよ。バーカ」

ぷすりと、膨らましていた頬を指で指され口から空気がぷしゅうと抜ける。

『だって…お仕事の邪魔しちゃいけないじゃないですか…』
「お前のおねだりは邪魔とは言わないからな?」

ほら言ってみろ、と言われ先ほどは諦めていた言葉がいとも容易く口から滑り出た。

『構って、…ください』
「合格だ」

その言葉とともに甘いキスが私の唇に降ってきた。
ちゅう、という音と共に離れていく一樹さんのそれ。

「もっと、か?」
『………もっと、ください』

欲張りだな、なんて笑う一樹さん。
違う、

『私が、欲張りなんかじゃなくて一樹さんが言わせてるだけですもん…』
「…可愛いヤツ」
君の口は魔法の口
(どうも私は、)(君の望む言葉しか言えない魔法をかけられたらしい)



◎流星恋歌の小林優さんへ

とりあえず遅くなってごめんなさいいいい!!!!スライディング土下座
一応結婚設定ぬい優を目指したんだけど…
アーッ\^P^/なことに←

これからも仲良くしてくれると嬉しいですお!(*´ω`*)


2011.09.16 望
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