short | ナノ
『ちょ、わ…っ頼むから………課題させて下さいってばぁっ!』
「い、や、だ」

先輩の意地悪っ!と涙目で訴えてくるお前が可愛いからいけない。
思わず加虐心がむくむくと膨らんでくるのだ。
断じて俺のせいなんかじゃない。
後ろから腕を回しなまえの肩に顎を置く。

「その課題明後日提供なんだろ?だったら今は俺だけ見てろよ」
『っ…明日曇りの予報だからいまやってるんです!』

なまえの弱い低温ボイスを耳元で囁いてみても
なまえは頑として首を縦に振らない。

望遠鏡を調節しながらノートだかプリントだかに何かを書き込んでいる。
星座科は大変そうだ。

仕方ないから待ってやることにしよう。
存分にあとからイチャイチャしてやる。




『…一樹先輩?』

名前を呼んでみたけれど返事が返ってこない。
肩にのしかかられているので、大方眠ってしまったのだろう。
騒がしかったのが一気に静かになって少し寂しい、というか残念のような気がする。

いやいや。これで課題が進められるのだから、良いに、決まってる。

私はプリントにシャーペンを滑らせた。


はた、とシャーペンの動きが止まる。
…このまま一樹先輩寝かせてたら風邪引くんじゃ…!?

やばい、それは駄目だ。

『一樹先輩!一樹先輩!起きてくださーい!』
「ん…、うる、せえ…」

寝起きの掠れた声が尋常なくカッコイイ…じゃなくて。

『一樹先輩、こんなとこで寝たら風邪引いちゃいますよ!』
「…大丈夫、だ…」
『なんとかは風邪引かないって言いますけど、あれは迷信ですから信じないでー!』
「オイコラ」

後ろから小突かれた。痛い。

「…風邪引いてもお前が見舞いに来てくれるならそれはそれで良いかもなー」
『え、いや…行きますけど、ね』
「けど、なんだよ」

学校で先輩が見れないのヤです。

二人で居るときの甘い一樹先輩も好きだけれど、
廊下ですれ違ったりするのも、生徒会室で笑ってる姿を見るのだって好きですもん。

そう言ったら後ろの塊が黙った。
首を傾げながら一樹先輩の名前を呼んだ。



反則技だ。畜生、可愛すぎだ。

「………、お前…。

襲うぞ、馬鹿」
『………は、!?』

意味がわからない。
なぜ、どうしてそういう結論になったのかが理解不能。意味不明。
という顔をしている。

もう一度言わせてもらう。
大事なことだから2回言う。


断じて俺のせいなんかじゃない。
原因は何もかもお前だ!!
(責任転嫁も甚だしいです!)(どう考えたって俺のせいじゃねえ!)




◎小林優さんキリリク
一樹との甘い日常でした^^


視点がぽんぽん変わってたんですが
分かりづらくなかったですかね…(´・ω・`)
一応
ぬいぬい→ヒロイン→ぬいぬいとなってました´ω`

優ちゃんキリリクありがとう!
頑張って相互記念も仕上げます(`・ω・´)キリッ


2011.06.13 望