short | ナノ
『う、ぎ、ぎ…っ!!』

も、う、ちょっ、と!
ちっさい身長プラス伸ばした腕プラスバレリーナさながらのつま先立ちでも
欲しい本に手が届かない。

あと、あとちょっとなの!

そのプライドが邪魔をして脚立を取りに行かない。
というかまず脚立の位置が分からない。

運悪く人が少ない本棚なので、人に頼むこともできない。

『うにあー!う、で、が、つ、るっ!』

背表紙にはちょいちょい届いてるんだ。
ジャンプしたらいけそうな気がしなくもないが、本棚に顔を激突とかさせたくない。

諦めようかなあ…、なんて思っていたら
狙っていたえんじ色の背表紙を横から伸びてきた手に取られた。

あっ、と思って横を見たら怖そうな銀髪の先輩だった。
後輩か同級生だったら文句言えたのに!

むう、と頬を膨らませながらその先輩を見ていると視界がえんじに染まった。

『え、っ』
「取りたかったやつ、これだろ?」
『あ、え…ありがとう、ございます…?』

本を受け取りながら先輩の顔を見ると
にかっと笑っていた。
前言撤回。全然怖くない。むしろ、かっこいい。

「今度から危ないから脚立使うか人を呼ぶんだぞ」
『え、と…善処します…』
「んじゃ、命令だ。命令。
じゃ勉強頑張れよ」

ぽんっと頭に手が乗った。

先輩が去ったあと、手が乗ったところを自分の手で押さえた。

心臓が、騒ぎ始めた。
素敵ロマンス
(すっごくかっこよかったの!月子聞いてる?)(うん、聞いてるよ(一樹会長、ついに手出したんですね…))



◎湊音へ相互記念

甘いぬいぬいでしたー
あま…、甘い?(゚Д゚)←

ぬいぬいは主人公のことを好きでしたというオチでした、まる!
…甘くないね!!\(^p^)/←


これからも仲よくしてください!


2011.04.15 望