『月子は俺の嫁ええええ!!』 晴天のもと、高らかに宣言する。 隣の月子をちらっと見るとえっえっ、と戸惑っている。 ああんもう可愛いな!!捕って食べちゃうぞ!なんちって! 「………なに言ってんの?」 でたな、アホ毛この野郎。ちゃっかり月子の反対側隣を確保しやがって。 『だから月子結婚しよあいてっ!』 後頭部に衝撃。方向からして、 『いったいな!哉太殴るなよ!』 「うっせえ!お前はなに言ってんだ!」 『プロポーズ』 真顔でそう答えると、もう一発殴られた。痛いなもう。 『二人とも分かってる?君らは18にならないと結婚出来ないんだよ? その点、この私は16になったら結婚が認められてますから!! お前らの2年間の差なんか私が簡単に奪って差し上げてよ! というわけで月子、今すぐ渡米しよう!』 同性愛が認められてる国へレッツゴー! なんて叫ぼうとしたら後ろから口に手が被さった。 むごっ、と濁った声がでる。 「はい、ストップ」 『むっ、むむやっ!(錫也!)』 「そろそろ止めないと、」 月子に嫌われちゃうよ、と呟くから直ぐに大人しくする。 『…錫也、ズルい』 「狡くないよ。ホントのこと」 飄々と言ってのけながら私の腰に腕を回す。 『ちょ、離してよ!』 「ダメ。 あとな、取り敢えず言っておきたいんだけどさ。 お前は俺の嫁だからな?」 にこりと、錫也様十八番の魔王スマイルで。 思わず聞き返す。 『………は、い?』 「だから月子と結婚なんて駄目だから。 渡米なんか絶対許さない。 婚姻届だって何回でも破ってあげる。 だから、俺と付き合って」 今のは告白ですか? ま(っ黒い)いハニー!! (錫也のバカー!)(なんとでも。で、付き合ってくれるんだよね) ◎ヒロインと錫也は付き合ってない設定。 ←→ |