『………で、何がしたかったんだあんたら』 「いやそれに関してはもう謝るしか…」 土下座で私の眼前に正座させているのは、 いわずと知れた天文科の悪戯大好き組の5人である。 なぜ、なぜ朝からこんなことをしているかというと。 話せば長くなるので、簡略。 直ちゃんに引っ掛けようとした罠に私がはまってしまったのだ。 タイプは引っ掛かってしまったらもう止めることの出来ないタイプのものであり、 私は見事に頭を打ち水を被った。 (まあ水は頭をぶつけた棚の花瓶が、振動で私の上に落ちてきたわけだが) 「ほんっとに悪かった!!」 『別に良いけどさあ、』 月子ちゃんに借りたタオルで髪の毛や制服の水をすいとる。 「…そ、そういえば東月は…?」 恐る恐る粟田くんが尋ねてきた。 「東月」という名前が出た途端他の4人の顔が真っ青に。 疑問に思いながらも答える。 『錫也なら直ちゃんに呼ばれ「ただいま、なまえ」…おかえ…おおふ…』 私の肩越しに顔をだした錫也の笑顔は半端なくいい笑顔。 この笑顔は、怒っている笑顔だ。 正座の5人が震え上がる。 「うわびしょびしょだな。体操服、俺の貸すよ」 『あ、いや梨本くんに借りたから』 45度の角度で謝りながら私に体操服を差し出す梨本くんは罪滅ぼし、という言葉がぴったりだった。 『だいじょう…錫也、笑顔が怖い』 「そんなことはない。さ、梨本くんの体操服を返して俺のに着替えて来い」 そう言いながら錫也は鞄から自分の体操服を取り出し私に渡す。 「じゃ、早く…いや、時間をかけて戻ってくるんだぞ」 そう言いながら良い笑顔で私を送り出した。 嗚呼、5人ともごめんなさい。そして、―――御愁傷様。 その日、天文科の教室にはかつてない程ブラックな空間になったらしい。 オカン最恐伝説が1日にして学園中に広まった。 そしてその原因を作ったのは私。 『もー…錫也のせいで私完全に腫れ物扱いだよ』 「だって大事だからさ。仕方ないだろ?」 私を腕の中に閉じ込めてそう囁いた。 だからって、 過保護にも程がある! ◎琥珀さまへ! あれ、甘い錫也のはずなのに 大魔王な錫也しか出てきてないぞオカシイナ← 土下座もんですねすいません! こんなんで良かったら受け取ってください! 琥珀さまに捧げます! これからも宜しくお願いします! ←→ |