「おー久しぶりにお前の部屋入った気がするわ」 そう言ってあたしの部屋を見渡す哉ちゃん。 意外と片付いてんな、そう言ってベッドに座った。 そりゃそうだ。部屋に入るのって半年ぶりぐらいじゃないかな。 それに哉ちゃんが来るから日ごろ以上に綺麗にしたよ。 『月子ちゃんとか錫くんは?』 「あーあいつ等は自分の家。ま、帰省初日からどっか行くのとか俺ぐらいだって」 『哉ちゃんのお母さん怖いもんね』 笑いながら机の椅子を引っ張り出して哉ちゃんの前に座った。 春休みは哉ちゃんの補習で帰って来れなかった。 月子ちゃんと錫くんも巻きこまれた形で星月学園に残った。 三人共、パソコンに詫びのメールを入れてくれた。 確かに寂しかったけど、写真を送ってくれたのでそれを毎日の様に眺めては寂しさを紛らわした。 「なまえは来年星月学園に来るのか?」 部屋にある星座の写真を眺めならがそう言った。 星座の写真の他に月子ちゃん達と撮った写真や哉ちゃんとのツーショットもある。あたしの大事な宝物。 『うん!星好きだし、…哉ちゃんの近くに居たいし』 最後の一言は甘えたつもり。だって、あたし哉ちゃんの彼女だもん。 「…」 『哉ちゃん?』 首を傾げる。 どうして何も言ってくれないの?ねえ、 『…嫌なの?』 「………」 長く沈黙を続けて、哉ちゃんは小さく嫌だ、と言った。 『…哉ちゃんはあたしと一緒に居たくないんだね。 少しでも一緒に居たいと思ってたのはあたしだけなんだね。 離れても大丈夫だろ俺達だったら、って笑いながら言ったのは嘘だったんだね』 哉ちゃんが星月学園に入学する日に泣きじゃくったあたしに言った一言。 一言一句、全て間違えずに覚えている。 あたしだって大丈夫だと思ってた。大丈夫だと思えるぐらい好きなのに。 『好きなのはあたしだけだったんだね』 哉ちゃんを攻め立てる言葉は止まらない。 だって、あたし言葉を止めたら泣きそうで。でも哉ちゃんの前で泣くのは嫌で。 「違えよ!!」 『何が違うの!?』 哉ちゃんの怒声に一瞬肩が跳ねたけど負けじと言い返した。 「、好きだよ!あーもう何で言わないと分かんねえんだよ!この馬鹿!ばかばかばーか!!」 『っ、馬鹿馬鹿うるさい!哉ちゃんのが馬鹿!』 「…頼むからちょっと黙れ」 哉ちゃんはあたしを引き寄せた。視界が真っ暗に染まる。 あたしより一回りも二回りも大きな腕に抱きしめられる。 「あのな。お前が一年になった時、俺は三年だろ? 俺が卒業した後の二年間にお前に変なのがつかないか不安なんだよ… 守る奴が居ないだろ」 『、』 じゃあどうして回りくどい言い方するの。めんどくさい。 『そんな、月子ちゃんみたいな事あたしに起きないっ!』 「わかんないだろ。お前、可愛いし」 目を上に向けると赤く染まった頬。 『…自分で言っといて照れないでよ』 「うっせ!てか見んな!」 抱きしめる腕の力にこめて、更に哉ちゃんの方へ引き寄せられる。 『…哉ちゃん、好き』 「…俺も、好きだから、」 小さな嫌だは私の為に (でもやっぱり星月学園に行くから!)(…俺以外見んなよ)(えー…星月学園イケメン多いっていうからなー)(オイ) 哉太は絶対言ってから照れるっていう私の認識酷い( ←→ |