short | ナノ
『翼ー』

翼は何処へ。探し始めて1時間未だに見つからない。何これミッケより難しくない?
生徒会室にもラボにも居なかった。…ほんとどこ行ったんだろ?

一縷の望み(ちと大袈裟か?)を託して寄ってみた宇宙科にも梓の姿しかなかった。

『梓ー…翼知らない?』
「翼ですか…HRが終わったと同時にどっか行っちゃいましたけど」
『もー…あの子どこ行っちゃったわけ』

この誕生日プレゼント、まさか今日渡せないなんてことにはならないよねえ…?

『分かった、ありがと。もし見かけたら電話してくれる?』
「はい勿論。頑張ってくださいね先輩」

ひらひらと手を振られ見送られながら宇宙科の教室を後にした。


「あ、そういえば」

なまえが去った後、梓がある事を思い出した事をなまえは知る由もない。



ったく、もー…何処行ったの。
頭を右に左に向けながら歩く姿はまさに何かを探し中。

何人かに「何探してるの?」と聞かれた。
『翼なんだけど知らない?』というと
まさかの人探しかよと突っ込まれたり見てないなーという答えが半々だ。

もしかして翼忍者の家系なの。いや、そんな話知らないし。
そんな疑惑が出始めた探し始めて2時間。

『つーばさー!いい加減出て来いー』

そう叫ぶと後ろからぎゅっと抱きしめられた。

『っ』
「ぬはは!なまえみっけたのだ!」

能天気にそう私の上で笑う。

『つ、ばさどこ居たの?』
「ぬ?自分の部屋だぞ」

あ、そりゃ見つからないわけだ…。

「これ、取りに行ってたんだ」
『何取りに行ってたの?』

こーれ、と行って私から離れポケットから何か取り出す様子。
だからどれ?と聞こうとしたら首元に感じたひやっとしたものに遮られた。

『っつめた!何、これ』
「誕生日プレゼントだ!なまえ、誕生日おめでとーだ!」

あ、

『そういえば今日、あたしの誕生日だ』
「ぬはは!忘れてたのか?あほだ!」

首元にある羽のモチーフのネックレス。
あたしの好みだ。

『あほって…あ、そうだ。これ』

今度はあたしがポケットから取り出す。

『指輪。指につけなくても良いからチェーンも一緒にあげとく。ネックレスの方が邪魔にならないでしょ?』
「ぬ、なんでだ?」
『なんでって…翼の誕生日じゃない』

そう言うと一瞬間をあけてはっ!とした表情を見せた。

「そういえばそうだった…!」
『なんだ、翼も忘れてるじゃん』
「ぬー…そういえば俺ら一緒の誕生日だったぬーん」
『忘れてたよ、その事実…』

自分を忘れて相手を覚えてるとか、どんだけ…。
翼はあげた指輪をまじまじと見る。
あもしかして、なんて不安がよぎる。

『そのデザイン、嫌いかな?』
「ぬぬーん!そんな事はないのだ!羽が、ついてるなあって」
『ああ…だって天"羽""翼"でしょ?
やっぱり羽かなあって…って、どしたの?』

翼は目を閉じている。
梓に聞いたからその行動の意味はよく分かる。翼は嬉しいのだ。じゃあ何が?

「ぬぬ…俺も、そう思ったからなまえのネックレス羽なんだ」

言われて改めてよく見る。羽だ。何回見ても羽だ。

『なんだろう、ね…この以心伝心は』
「ぬー!相思相愛なんだ!」

そう言って翼は私を抱きしめ「なまえ好きだ!」と言った。
私は「私も好きだよ」とストレートに伝えた。


(これ、お揃いだよね)(ぬはは!そうだな!って梓!)((何このバカップル…ここ廊下なんですけど))

◎はっぴーばーすでい翼!まさかの同じ誕生日ネタ。
翼初めて書いたんだけどやっぱり何かが違う←

実は同じクラスの翼と一緒の誕生日で羨ましい
はっ!そういえば羊の誕生日小説書いてない…だと!!?(^q^三^p^)←