『…不知火先輩の好みって胸とかおっきい子?』 「は、」 いきなり何言い出すんだこいつは。 しかも…む、胸とか言うんじゃねえよ! おいほら月子が固まったじゃねえか! 「え、…えっとなまえちゃん?」 『…月子先輩はおっきいですよね、』 「え、ちょ…?」 恨めしそうに月子のことを見るみょうじ。 …俺にどうして欲しいんだよ…。 とりあえずこの場を打破するために月子をどっかにやらなければ。 「…あー、月子はとりあえず生徒会室からちょっと出ててくれ。 そうだな、颯斗が図書館で仕事してるからその手伝いに行っててくれ」 「あ、はい」 少し動揺というか、うんまあ何とも言えんが月子は生徒会室から出て行った。 『…不ら「なまえ、来い」 呼ぶとおずおずと俺の隣までやって来た。 そのまま後ろから抱きしめる。びくり、と体が跳ねたが気にしない。 「何かあったか?」 『………白鳥先輩が、俺だったら絶対夜久だなって。何で会長はお前なんだろうなって、』 俯き小さな声でそう呟いた。肩は震えている。 白鳥潰す、心の中で決意して抱きしめる腕に力を込めた。 「お前そんな事気にしてたのか?」 『っだって!…あたしだって、何でだろうって今までずっと思ってたから…っ』 驚いた。そんな事考えてただなんて。 『だってあたしのどこだ良いんだろうって、いつも出て来るんだもん! あんなに完璧な可愛い子が不知火先輩の側に居るのに、 あたしからいつ離れていくんだろう、って不安で仕方なかったっ』 「…初めて知った、それ」 『…隠してたから』 隠すなよ。そう言う事は素直に言えばいいんだよ。 なんでそんなシンプルな事が出来ないんだ。 「俺はな、月子は確かに可愛いと思う」 『っ』 いやちゃんと続き聞けよ。こっからが大事なんだから。 なまえの向きを変え、正面に向かせる。 「でも俺の好みはお前を好きになったときからお前だよ」 『っ』 「だから不安になんてなるな、お前は俺の言葉だけ信じとけ」 うん、と腕のなかから小さく聞こえた。 よしよしと頭を撫でると俺に体を預けた。その重みが果てしなく嬉しい。 「好きだよ、なまえ」 『っ、不知火、せんぱ…っ』 「なあ、キスしていい?」 少し間を空けてこくりと頷いたなまえ。 それがちょっとおかしくて笑いながらなまえの唇にキスを落とした。 好み=お前 (っしゃ、そんじゃ白鳥潰すか)(え、)(大丈夫、お前は安心してろ) ◎おまけ 「しーらーとーり?なまえに余計なこと吹き込んでんじゃねえぞ?」 「え、ちょ、会長怖…いうわああああああ!!!」 白鳥逃げて超逃げて(既に遅し) ←→ |