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『あの、…錫也、どったの』

ベッド、私、錫也。つまり押し倒されています。なぜ。

錫也の部屋に入った途端抱き上げられてぽいっとベッドに投げられ
錫也がその上に四つん這いになった次第だ。

「………」
『あのー…錫也さん?』

だんまりな錫也。えええ、なんか分かんないけどむらむらしたってことかな。

そんなことを考えていると
ぽすりと四つん這いのまま顔だけ私の肩と首の間に埋めた。
頬に色素の薄い髪の毛があたってくすぐったいと思っていたら
今度は首筋をべろりと舐められた。

『ちょ、…錫也、っ!?』
「…」

私の焦る声も聞こえてないフリ。
どんどん行為は加速して、今度は見えるところに所謂キスマークとかいうやつを幾つもつけられていく。


『っ、…錫也、?』
「…もう、いやです」

嫌ってなんだ、嫌って。

『…錫也?』
「どうして俺はなまえさんより一つ下なんですか…。
どうしてなまえさんは…俺より一つ年上なんですか…!」

ああそゆこと。季節はもう冬真っ盛り。
私は進路を大学に進学することに決め、勉強真っ最中なわけで。

『寂しかった?』
「…それより何より、不知火先輩と一緒に居すぎです」
『…別に一樹と大学が一緒なだけで、』
「俺が嫉妬深いの、知ってるでしょう?」

確かに錫也の嫉妬深さは幼なじみズのお墨付きだ。

「そんな些細なことでも許せないんです、俺。
今すぐにでも閉じ込めて俺だけしか見えないようにして、俺だけしか触れないようにして、
俺のものにしたいんです」
『…』

カオスだ…!
Mじゃないからな…Nなんだよな、わたし…。
考えている表情が困った表情に見えたのか錫也はごめんなさい、と言った。

「困らせたいわけじゃないんです。
こんなガキみたいこと、言ったりしたりして」
『いや別に困ってるわけじゃなくて…、なんていうか…
錫也バカだなあって』
「は、?」

素直な感想に意味が分からないといったような声があがった。

『私が年上なことに悩んでないとでも思ってるの』
「え…」
『私だって錫也と同い年か年下の方が良かったなあって最初は思ったりしたよ?

でもさ、結局のところ私が好きになったのは
年下なんだけどかっこよくて甘やかすのが得意で時々可愛い錫也なわけで。

それで錫也が好きになったのは
年上なんだけどだらしなくて可愛いとこなんて1つもない私でしょ?』
「…」
『だからきっと年齢なんて関係ないよ』

だから気にしないで、と笑って錫也の頬を撫でると錫也はくしゃりと顔を歪めた。

「…そーゆーこと、言えないから俺はまだまだなんだと思います」
『良いじゃない、足りないとこはお互い補っていけば』
「俺ってまだまだ…ガキですね、」

そりゃ私より年下だからね、と笑いながら言うと錫也はにこっと笑って(あれ、嫌な予感が)

「じゃあ俺ガキだし我侭言って良いんですよね」
『え、あの…叶えられる範疇で』

控えめにそう申告するとなまえ先輩、と呼ばれて

「留年してください」
(断る!!!!!!!!)(何故ですか)(いやむしろこっちが何故だよ!!!!)



◎水無月さんリクエスト
嫉妬心でどす黒い錫也でした

くろ…黒くはないですねむしろエロイ
微妙にアホな錫也さんでしたね!

年上彼女なら甘えた錫也さんが良いと思います。俺得!←
ほんとはこの前に一度書いてるんですがマジに真っ黒で誰これ状態だったので
一回消してちょっと黒さを落とした結果がこれですね
………(^^;)

なにはともあれ((こら
水無月さんリクエストありがとうございましたあ!^∀^



2011.08.29 望


年下なきみ、年上なあなた




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