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>> 簡単な

『…こたさん』
「なんだ」
『…周りの女性の視線が痛いです』

ちくちくちくちく。
私の身体に穴を開けるつもりですか、周りの女性の皆さん。

「ああ…で?」
『居づらいことこの上ないですはい』

キュイキュイ、シェイクを吸いながらこたさんに申告すると
気にするな、とブラックコーヒーを飲みながら一蹴。

気にならないように出来ないから困ってるんだよ、こたさん。


『どうせ妹とか思われてんだろうなあ…』
「精々堂々と彼女です、みたいなアピールでもしてみるか」
『…え、なに。こたさんいい笑顔過ぎてちょっと怖いんですけど』

にこにこ、というか…品の良いにやにやな笑顔?

「なまえ、お手洗い行きたくないか」
『え、別に』
「おーそうかそうか、行きたいか。よし行ってこい」

あれ、こたさん耳悪くなったのかな。この一瞬で。
とりあえず行くしかなさそうなので、お手洗いに立った。



「あのー、いまお一人ですかぁ?」
「いや、彼女と一緒だが」

…迂闊だった。
そうだよこの人は囲まれるタイプの人だった。

こっそり壁に身体を寄せて、こたさんと逆ナン女性との会話に全神経を集中させる。
まあ、案外近くに居るからそんなに集中しなくてもある程度は聞こえるけども。

「えー?妹じゃないんですか?」

意外ー、とかなんとか。

ほらやっぱりさ、私はどうせこたさんとは釣り合わないですよ。
外見も綺麗からはかけ離れてるし、
中身だって子供っぽいし。

自己嫌悪に陥ってるといきなり腕を引っ張られた。

『ぅ、わ…っ』

ぽすりと、何処かに収まった。

「残念ながら俺の彼女はこいつだけだ。分かったら近付くな」
『こ、こ、こたさん…!?』

精々堂々と彼女です、みたいなアピール。
このことか。いやでも精々堂々とアピールし過ぎじゃないの。
前の女性を見るとぽかんとした顔で私とこたさんを見つめている。

「じゃ、なまえ行くぞ」
『え、あ…はいっ』

さりげなく繋がれた恋人繋ぎでその場を去った。


駐車場にとめていた車に乗り込む。

『こたさん大胆過ぎます…!』

乗った瞬間両手で顔をおさえた。

「ははっ、でもお前は鈍いから気づかなかったんだろうけど
お前だって見られてたんだぞ」
『え、…ウソ』

思わず言葉が漏れた。嘘じゃない嘘じゃないと手を横にふるこたさん。

「誰がこんなことで嘘なんてつくか」
『…物好きも居るもんですね…』

お前が好きな俺ば物好きの分類なのか、と苦笑い。
…そういえばそうなる。

「ま、お前を見る野郎の視線がうざくってな」

簡単な私物証明
(な、簡単だったろ)(簡単ですけど恥ずかしいです…)



◎ちなめさんリクエスト
琥太郎先生と甘デートでしたイェア


甘くない、非常に甘くない!
糖分不足が著しすぎる^p^アーッ

こた先生が居たらチラッチラ見ますよねやっふー!←

ちなめさんリクエストありがとございました!


2011.04.28 望

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