>> 好きです。 僕は明日提出の課題に取り組んでいた。 ああ、クソ…眠い。 目をこすりながら止めていたシャーペンを動かそうとしたとき、部屋にノックが響く。 誰だよ…翼か?と相手を予測しながら扉を開くと、 『夜分遅くにすいません梓先輩!』 なまえが居た。 一応確認しておこう。 時計はもう2時を過ぎそうな時間帯である。 そしてここは、射手座寮。男子しか居ない寮だ。 そんな時間にこんな場所を、 「一人で、来たの?」 『はい!』 いや、良い笑顔で返されても困るんだけど。 なんでこの子には危機感というものが欠落しているんだろうかとほとほと呆れる。 『梓先輩!いますっごい天の川が綺麗なんです見に行きませんか?』 「…ちょっと待って」 『はい?』 「今まで、どこに居た?」 恐る恐る尋ねると、これまた良い笑顔で『屋上庭園です!』と答えてくれやがった。 まったく、 …なまえときたら…! 「駄目だよ、風邪引くし」 『えー…でもホントに綺麗なんですよ!見に行きましょうよ…』 そんな顔で頼まれたって駄目なものは駄目だ。 「だ、め、だ」 『ええー…梓先輩のケチ…』 「ケチとかそういう問題じゃない。ほら自分の部屋に帰らなきゃ駄目だろ。 送っていってあげるから」 そう言ってなまえの手を掴んで歩き出す。 後ろでへへっ、と笑い声が聞こえた。 振り返ると、 「………顔、緩んでる」 『だって嬉しいんですもん』 緩みに緩みきった顔で言われる。 なにが嬉しいのかさっぱりだ。 怒られることが、だろうか? 『梓先輩、怒っててもちゃんと送ってくれるんだもん』 「…なまえに何かあったら嫌なだけだよ」 『今は、それでも良いです』 今は。 夜空を仰ぎながら、そういえばまだ告白の返事をしていなかったことに気付く。 じゃあこれはなまえの精一杯のアピールということになるのだろうか。 「なまえの告白聞かなかったことにして良い?」 『…はい、』 後ろを見ずに言ったのでなまえがどんな顔をしているのか分からない。 しかし声は震えていた。 僕はなまえの表情を想像しながら言葉を続けた。 「僕、告白とか自分から言う主義なんだよね」 『………え?』 改めて、好きです。 (付き合ってくれるよね?)(ふ、フラれたかと思ったじゃないですか…!) ◎メイさんリクエスト 梓で甘々夢でしたー^▽^ 前回に引き続きリクエストありがとうございます(*´▽`*) 梓くんは多分自分からいう人だと思ってます ええもちろん← リクエストありがとございました!^^ 2011.05.14 望 prev//next |