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>> 君でしょう

彼の行為に擬音をつけるのなら間違いなく"じーっ"だ。

さっきから視線もそらさずただ私だけを見つめている。
一樹くんに視線をやると間違いなくぶつかるのは綺麗な碧色の瞳。

…まあ、正直に言えば。ものっすごーく居づらいわけで。

『あの…、一樹、くん?』
「んーなんですか?」
『そんなに見つめられると穴が空くんですが』
「ははっ空きませんよ!」

いや空く。間違いなく胃に穴が空く。
なんだこれ、苛めか。苛めなのか。
学年的には2つ、年齢的には1つ下の私の彼氏の一樹くん。

「いや、なまえは可愛いなって思って」
『ぶふっ、』

思わず噴いてしまった。
な、なにいってんだか…っ!

「顔、真っ赤ですよ」
『あ、ぅ』

私を宝物のように見つめながらころころ笑っている。
ぜ、ぜったいからかってる!私のほうが歳上なのに!

「なまえ、」
『ぅ、あ…はい』
「好きだ」
『っ…!!』

こういうのを得意とする男、不知火一樹。
心臓ばくばく。破裂寸前。

不意討ち、反則。意地悪。最悪。バカ。
思い付く限りの言葉を一樹くんにぶつけると、
悪びれる様子もなく、すいませんと笑った。

『もう…っ、一樹くんの、バカぁ…っ』
「すいません、ついつい」
『ついつい、じゃない…っ』
「なまえ」

ぽかぽか殴っていた手を急に掴まれて、引き寄せられた。
息が喉に詰まる。
私の苦手な、(心臓に悪い)一樹くんの低い声が耳元で甘く響く。

「もう一生、離さない」
『っ…!』
「覚悟、しておけよ」

顔をあげるとニヤリと不敵な笑顔が出迎えた。

たまに、敬語外れるとか。
反則にも程がある。

きっと、
私の死因は君でしょう
(あ、ぅ、あ…っ)(なまえ、可愛いな)




◎杏さんリクエスト
一樹で甘々でしたー^ω^

そいや一樹が年下の小説ってあんまないなー
と思ったのが発端でした(´ω`)

敬語でオラオラだったら良いと思います←
たまに不意討ちで敬語外れるとか良いと思います←


杏さんリクエストありがとうございました!!(*´▽`*)

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