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>> 離れる

『…おはよ』

起きたら吃驚。もうお昼でした、まる
隣に錫也が居なかったから探したらリビングの掃除をしていた。

「おはようなまえ。お昼ご飯何が良い?」
『…パスタ』
「うーん…ミートとクリームどっちがいい?」
『………クリーム』

ほんとはどっちも食べたいけど。だってどっちも美味しいんだから仕方がない。

「分かった。じゃあお前はクリームで俺はミートな」
『錫也、ミート食べたいの?』

だったらミートで良いのに。
そう言うとははっと笑いながら、

「食べたいのはお前だろ?」

このよくできた彼氏には何でも分かってしまうらしい。


『「いただきます」』

一応手伝った美味しそうな、というか美味しい種類の違ったパスタが
私と錫也の前に並べられている。

『むまい(うまい)』

口をもごもごさせながら味の感想を伝えると

「こらこら、喋るときは口に何か入れないの」

と、言いながらミートのパスタを綺麗なフォーク使いで巻いていく。

『一口ちょーだい』

あーんと、机のうえに体を乗り出すと
錫也は巻いたパスタを私の顔の前まで持ってきてくれた。
ご丁寧にあーん、まで言ってくれた。

『ん、おいし。錫也も要る?』
「お前が食べさせてくれるならな」
『んー、はいあーん』

くるくるに巻いたパスタは錫也の口の中に入っていった。

「ん、旨いな」
『錫也が作ったんでしょ。美味しいに決まってるよ』
「…お前は、そういうところが狡い」
『はい?』
「なんでもないよ。ほら早く食べないと冷めちゃうぞ」

それは困る。
私は止めていた右手を動かし始めた。


「なまえ、ちょっと良いか?」
『ん、はい?』

ちょいちょいと招かれる場所は錫也の足のうえ。
重いよ、と毎度のごとく進言しているのに錫也はその場所を勧めてくる。
足のうえに座ると後ろから腕が巻きついてきた。

『錫也、なに?』
「あの、さ…えーっと…」

もごもごと言いごもっている錫也。
一体なんの話をするつもりだろう。

「結婚、しないか」
『良いよ』
「…」

なんだ、プロポーズか。
お返事を返すと錫也はあんぐり口を開けていた。なにこの間抜けな顔。写真撮りたい。

「………そんな、あっさり答えて良いのか…?」

なに言ってんだろう。この人。

『だって断る理由もないし、考える必要もないよ』
「…やっぱ、お前狡い」
『だから何がよ』
「…俺を喜ばせるのがうまいよな、お前」

なにが錫也を喜ばせたのがさっぱり分からない。

『………ありがとう、?』
「分かってないだろ、お前」

やっぱり錫也は私のことがよく分かってる。

「話を戻すけど、…ほんとに良いんだな?」
『…一旦、断ったほうが良かった?』
「すいません、やめてくれ。
…離してくれなんて言われたって離さないからな」

『言われなくったって
離れる気すら沸かないよ』
(やっぱり、お前狡いよなー…)(なに言ってんだか…)





◎ゆうさんリクエスト
マイペース彼女と錫也で休日おうちランチ。(二人であーんとか)でしたー

とりあえずバカップルですね!はい!
結婚しても変わらないバカップル夫婦になってくれると思いますウフ


ゆうさん二回目のリクエストありがとございました!


2011.04.17 望

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