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あるだけだし?



『お前なに食ってんだ?』

生徒会室にて。
俺の前に座る可愛くて愛らしい彼女は、もしゃもしゃなにかを食っている。

もし颯斗が出したものだったのなら、俺にも出てるはず。

だったら、あれはなんだ?

『ん?錫也に貰ったんですよ』

ごちそうさまー、と満足毛にぱんっと顔の前で両手をあわせた。

「ほう。で、その飴は」
『こっちは宮地くんと梓くんと誉部長』
「…んじゃあ、そのケーキは」
『こたろー先生と郁ちゃんと直ちゃん』

…なんでだろうな。餌付けされている。
そして面白くない。

「お前それ以上食うと太るぞ」

そう忠告すると、はっとしてケーキと飴を机のはしっこに寄せた。

ホッとする。

ホントのホントは、

なまえは、細すぎるからもっと食えばいいと思っている。
ただ、他の野郎から貰ったものを口に入れて欲しくない。

ちょっと無防備過ぎるなまえをなんだか虐めたくなった。

「なまえは、俺と居るより他の奴といるほうが長いみたいだな?」
『へ、』
「なまえは彼氏の俺と居るより他の男といるほうが楽しいのか。ほーそうか、そうか」

そう言えば、

『…そんなこと、ないです』
「どうだか」
『………ごめんなさい』

しょぼんとしながら謝る。
謝るのを知っていて俺は言った、俺は嫌なやつだ。

『…もう皆からおやつ貰いません』
「は、」
『皆からおやつ貰ったのが悪いんでしょう?』

待て待て。
なんだか結論が斜め上方向に走っている。
問題はお前が無防備過ぎるということであって。


「おやつは貰って…いや良いのか?」

やべえ、分かんなくなってきた。

「あーっ、もう」

まどろっこしいことは嫌いだ。
自分の席を立ちなまえの横まで来る。

『一樹かいちょ、』

はしっこにあった飴のフィルムを剥がして口に含む。

『んっ、』
「…食いたいなら、口移しで食わせてやるよ」

ニヤリと笑った口のなかには飴はもうない。

飴は、真っ赤になったなまえの口のなか。

「ということで、お菓子は貰っても良いんだぞ」

いや、むしろ大いに貰ってくれば良いと思う。

俺に得があるだけだし?
(さー、じゃあケーキも食うか?勿論、口移し)(いえっご遠慮します!!)





あとがき


『一樹で意地悪ののち甘々』でしたー

いやなんか一樹マジへんたi←
甘々だったんでしょうか…

書くのが遅くなってすいませんでした!
リクエストありがとうございました!(*´▽`*)


2011.04.05 望

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