lonely lonely | ナノ

二階から投げ出された身体は地面に叩きつけられて思いっきり痛いはずの身体はそれほど痛くはなかった。
その理由は「ってぇ…!」と呻く人のおかげだと思う。
私の下敷きになっていた一樹先輩。

『か、一樹先輩…!?』
「お、ぅ…無事か…?」

無事とかそんなの私が聞く立場だと思う。
というかなんで血が、出てるの。背中のあたりから白のシャツに赤が滲んでいる。

『先輩、血が…っ!』
「…、…いてえ…」

呻いて、片目を細める。
やだ、なんで、こんなことばっかり。

上から先生呼べ!!とか救急車は!?とかそんな叫び声のようなものが聞こえてくる。

『や、やだせんぱい…っ!』
「ばか…、泣くな…よ、だいじょ、ぶ…だから」
『先輩…っ!!』

先輩がゆっくり瞼を閉じていく。
遂には私が声をかけてみてもまったく反応がない。

嫌な記憶が頭のなかにパッと出てくる。
また、わたしの、せい?

私は視界が暗くなるのを感じた。
上から名前を呼ばれたけれどそんなのに反応なんて出来やしなかった。
ついには瞼を閉じてしまう
(目を開けたら、また居ないなんて)(そんな未来は嫌だ)

title by約30の嘘


prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -