lonely lonely | ナノ

鳴り響く
※原作ブレイク


土萌くんと仲直りしてから三日後。
今日は星月学園の入学式だったりする。
入学式に参加しない生徒は今日は寮でごろごろするだけだ。

私も今日は少し遅めに起きて部屋で本でも読んでいたら、部屋の扉がノックされた。
呼んでいた本に栞を挟み扉の方へ寄る。

『どちら様ですか?』
「俺だ」
『一樹先輩…?』

扉を開けると一樹先輩が制服でよっと手をあげていた。
そうか生徒会長だし入学式には当然参加だよね。

「寝起きか?」
『いや別にそういうわけじゃ…』
「真面目な奴だな。他の奴らは遅くまで寝てるっていうのに」

まっそう思ったから来たんだけどな、と豪快に笑う。
いったい私に何をさせようというのだ、この人は…なんて思っていると一樹先輩が私の肩をがしっと掴む。

「今日からお前は生徒会広報だ!」
『………はあ』

どうやら私はまだ目が覚めてないらしい。


[―――本校生徒会長、不知火一樹より挨拶。不知火会長お願いします]

………なぜ、私はこんな場所に立っているのだろうか。
手元の台本を読み上げながら遠い目で会場の遠くを眺める。一樹先輩がはい、と返事したのを聞き流しながら。

あれから私は早急に制服に着替えさせられ入学式の会場である体育館に連れてこられた。
そしてそこで渡されたのは白い紙にびっしりの文字×数枚。
そして何が何だかさっぱりな私に一樹先輩が一言。

「読め!」

………いったい全体この人の頭のなかはどうなっているのか知りたい。
なんでも当日読む筈だった放送部の生徒が風邪で声がガラガラになってしまったらしい。

それだったら女子が読んだほうが新入生へのアピールにもなるだろうということで急遽私を呼びつけたらしい。
適当な役職までつけて、だ。

「俺がカラスは白といったら白だ!」
『………カラスはどう見たって黒じゃないですか』

そう言ったのが聞こえたのか後ろの颯斗くんと月子ちゃんにも聞こえたのか二人して苦笑いだ。
そして一樹先輩は一年生の天羽翼くんという子を指名して挨拶を締めた。
そして壇上から降りてきて私にドヤ顔で一言。

「どうだった」
『はあ…一樹先輩は目がおかしいのかなと思いました』
べしっと音が鳴り響く
(いっつあ…!)(おっまえは…!遠慮ないな!)(だってカラスは黒ですもん)


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