lonely lonely | ナノ

ファースト
side Kazuki


「桜士郎?なんかいつも以上に気持ち悪いぞ」
「くひひっ、一樹ひっどーい」

いや実際気持ち悪いのだから酷いもくそもあるかと。
誰でも写真を見ながらニヤニヤしてたら気持ち悪いと思うだろうに。

「で?なんなんだ、その写真」
「見たい?」

勿体ぶるように写真をヒラヒラさせる。
確かに見たいっちゃ見たいが、なんかむかつく。

「別に」
「くひひっ意地張っちゃって」
「張ってねえよ!」

これが姫ちゃんの写真でも?
その言葉に脳が判断する前に桜士郎から写真を奪っていた。

「早っ」
「五月蝿い」

桜士郎に悪態をつきながら写真を見るとそこには笑顔のハルキが居た。

「…っ」
「あ、見惚れちゃってる〜一樹ってばヘンタイ!」

うるせえ、今度の悪態はなんだか声が掠れてしまって。
ああもうやばいだろ、これ。
はああ…!と長いため息をつきながら生徒会室の床にしゃがみこむ。

「くひひっそれ要るならあげるよ」
「………おう」

俺はその写真を会長用の机の引き出しに写真を入れた。



「インタビュー!?」
『う、あ…はい』

なんか流れで星座科クラスメートと昼食を食べることになった。
最近こんな事が多い、ような気がする。
うーん、やっぱり白銀先輩の言うとおり柔らかくなったってこういう事なんだろうか。

「マジ!?やっべえ俺マジそれ楽しみ!」
『楽しみって…、別にそんな面白くは…』
「いやいや冬原が出てるってこと自体に意味があるんだよー」

日下部(くさかべ)くんがそう言う。
ちなみに今日のお昼ご飯メンバーは宮地くん、白鳥くん、日下部くんin食堂だ。
しかし毎度ながら、宮地くんのご飯は体に大丈夫なのだろうかと思う。

「む、要るのか?冬原」
『え』

じーっと見すぎていたのか、宮地くんがパフェを食べる手を止めた。
ほら、そう言って差し出されたスプーンには生クリームとプリンが乗っている。

『あ、どうも…』
「んなっ!?」

おいしいー、とか思いながら味を堪能していると前に座る宮地くんの顔が真っ赤に染まっていく。
え、なんで?周りの二人を見ると白鳥くんは口をぱくぱくさせ、日下部くんは爆笑している。

「あ、あああああーんん!?宮地羨まし過ぎるぞおおおおお!!!」
「なっ、俺はだな!スプーンをとってからだと…っ!」
『えっそうなんですか!?ごめんなさい!!』
「あはははっ!宮地顔真っ赤ー!!」

日下部くんが宮地くんを指差しながら爆笑しているのを宮地くんが日下部五月蝿いぞ!と怒る。

「楽しそうだね」
『!錫也くん、に月子ちゃんに七海くんに、………そちらの方は…』


いきなり後ろから声をかけられ振り返ると幼馴染み3人組と初めて見る人が居た。

「土萌羊くん!天文科に転入してきたんだよ!」

月子ちゃんが説明してくれた。
女子…?と思っていたら男子制服だったので中性的な顔の人なんだなあと納得。
青空くんとか星月先生とか凄い中性的だよなあ。…女子的に、凄く残念ですね…。

「…僕の顔に、なんか付いてる?」
『え、いや別に…』
「じゃあジロジロ見ないでくれる?とても不愉快だ」

じろりと不快感丸出しで私のことを睨んでくる赤毛の人。

「おいそこまで言うことないだろ!!」
『し、白鳥くん!』
「なに?僕はホントのことを言ったまでだよ」

白鳥くんがまた何か言おうとしていたので私はそれを止める。

「次は君?』
『…不快な思いをさせてごめんなさい。
だけど私は貴方の髪や目が綺麗だから見てただけですよ』
「…綺麗?」

何故か彼はその単語を繰り返した。

『えと、はい…。凄い、綺麗な赤だと、思います』
「………」

また突っかかられるのかな、とびくびくしながら言うと土萌くんが顔をそらした。
なんで、だろ。

「な、もう良いだろ?羊」

錫也くんが赤毛の彼の肩に手を置く。
土萌くんが縦に小さく首を振って月子ちゃんの横に移動した。

…もう、怒ってないのかな…。
勘ぐっていると錫也くんが「もう大丈夫だよ」と笑った。


ファーストコンタクト
(…ホントにもう怒ってない、のかなあ…)


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -