lonely lonely | ナノ

何時しか
『独占、インタビュー…?』
「ああ…。こいつがなあ、お前に独占インタビューを頼みたいってうるさくってな…」
「はろーん、姫ちゃん」

わざわざ星座科の教室に来た一樹先輩の後ろには赤毛の長髪でゴーグル(?)の先輩がくひひっ(くひひ…?)と笑っていた。

「こいつは新聞部の白銀桜士郎だ。ちなみに変態だから近づかない方が良いぞ」
「くひひっ、一樹ひどーい」

この人変な人だなあ、なんて思いながら一つのことが頭に引っかかっていた。

『あの…どうして私に…』
「最近姫ちゃんが柔らかくなってきたって噂だし前々からインタビューしてみたかったんだよね」

姫ちゃん、というあだ名はよく分からない。
そしてどうやらその言葉は私を指すらしい。私は一般家庭に生まれた一般人だ。

「嫌だったら断っても良いんだぞ」
『…大丈夫、です。嫌なことは答えなくても良いんですよね…?』
「くひひっ勿論モチロン。俺は変態だけど嫌がることはしない主義だからねぇ」

変態、というポイントを是非否定してほしかったが
これはまごうことなき変態のようです。

「じゃあ明日の放課後。場所はー…姫ちゃんがリラックスできるところとかは?」
『あ…じゃあ屋上庭園とか』
「じゃあそこで!明日はよろしくねーん」

くひひっ、と笑いながら手をぐっぱぐっぱしながら去っていった白銀先輩。

『…』
「ほんとによかったのか?」
『え?』

どうしてそんなに、確認するのだろうか。

『一樹先輩が他の人と関われるような私にしたんじゃないですか』

そう言うと一樹先輩はああそうだったな、と言った。
そして用があるから、とどこかへ行ってしまった。

「変な先輩…」

本人が居ないのを良いことに私はぽつりと呟いた。



side Kazuki


馬鹿だなあ、俺。
ハルキに指摘されるまで気がつかなかった。

「俺はいったい、何がしたいんだろうな…」

髪をぐしゃりと握る。
確かに最初は色んな奴と関わって欲しかった。
俺が束ねる学園で、人を拒むようなそんな奴は作りたくなかったのだけれど。


最初は、守りたいようなそんな親のような気持ちの筈だったのに。
それは何時しか恋心
(何時からかなんて、)(今となっちゃ分かりゃしない)

2012.02.04 修正・加筆


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