私は中学、高校とともに田畑くんと同じクラスである。 私の中で田畑くんはどこかかっこいいけれどちょっとおかしい人だと頭の中で思っている。 私の従兄弟も同じ学校だったので、その従兄弟の友達だということで田畑くんと仲良くなった。
「田畑くん」 「ああ、名字か。どうした?」 「どうしたじゃなくて、リョウが呼んでたよ」
リョウというのが私の従兄弟である。ちなみに今はもの凄く変態で残念になっている。中学のときはものすごくモテてたのに、残念だったね。
「あー、そうか、あれ返してなかったな…」
あれ…ゲームのことだろうか…多分。
「いや、エ…」 「それ以上言うな。辞書の角で頭をおもいっきりぶったたくから」
やはり高校生ともなるとそういう本を貸し借りするのか。恐ろしい。
「すまん、すまん。たまに名字が女に思えなくて」 「なにそれひどい」 「いや、リョウと名字一緒だろ?たまにごちゃごちゃになるんだよな」
確かに、私はリョウと名字が一緒である。小さい頃は名字二人!、と先生に叱られていたものだ。 でも、女に見えないってひどい。私は彼のことをちょっとだけ気になっている、というのに…。
「あ、おい、ユウスケ!」 「ああ、リョウ、行く。じゃあな名字。教えてくれてありがとな」 「あ、うん」
醒めない夢で眠り続ける
友達でいたいと、友達以上でいたいと望むのは我が儘なんでしょうか?
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