俺を抱きしめたまま夢へ旅だってしまった名前。一応俺も健全な男子だから、気になっていた女子に抱き着かれる、というシチュエーションは幸せだ。志摩に言ったらなんて返されるか。しかし、今そんなことを思っているべきではない。時間があるからこそ、俺はここにいる。どう、なんだろうか。
 ふい、と下を見ると俺の胸辺りに顔を寄せ寝ている名前。今扉開けられたら俺どうしようもできねぇ。でも寝かせてあげたいし、食べたくもなる。1つくらいなら許してくれるだろうか。唇じゃないならセーフか。俺は自問自答をし、俺の胸辺りにいる彼女の白いうなじに唇を這わせた。
 くすぐったいのか何かで少しくぐもった声が聞こえ、俺の中でどくんと何かが跳ねる感覚。これ以上やったら色々やべぇ、そう思い俺は彼女を起こしにかかった。

「おい、名前、起きろ」
「あと、5ふん…ぅ?」

彼女は目の前の光景をみて理解したらしく、ひどく驚いていた。

「なんで、え、私、えちょ、だきつ…」
「落ち着け」

ひゅ、と頭にチョップを食らわせ大人しくさせる。慌てたいのはこっちだっていうのに。全く。


111218

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