数日経ち、私は学校を終え家に帰り…といつもと同じように生活をしていた。
今日もお気に入りの漫画を取り出し読むところ。携帯は机の上、紙は鍵がかかる引き出しの中。それは普通で、普通以外の何ものでもなかった。

「青エク、読むか」

1巻を取り出し、ベッドにねっころがりながら読み進める。
メフィストと出会うときに使う、藤本神父から渡された携帯電話。今日はやけにそれが目に入る。

「携帯、」

ちらり、と机の上を見る。
初日に掛けて、出たのは本当にこの漫画の主人公なのか、それとも聞き間違いなのか。聞き間違いと願いたいのも1つ。夢みたいのも1つ。私は頬をひっぱり目を覚まし、携帯電話に手をかけた。



110930

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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