先生に試験召喚獣のことを話したら、偉い人に掛け合ってくれた。まあそこまではよかったのだが、なんで召喚獣もこんな格好…。私の召喚獣は一応、女っぽくなく、どちらかというと男っぽい。装備が剣とか、ただの騎手です、本当に。まあ洋服は自分が着たいと思う服を着てたりしてるけど。
「多分これで大丈夫さ」 「あ、ありがとうございます」
それで大丈夫ってちょっと怖いけども…。とりあえず私は我がクラスのFへ向かった。途中Eに入りそうだったけど、今の格好を見て悟った。やっぱり、ダメだよね。
「初めまして、名字名前といいます。転校して来て日も浅いですが、よろしくお願いします」
ぺこり、と礼をし空いている秀吉のところへ座る。ざわざわと周りが動くが気にしない。
「久しぶりね、秀吉くん」 「ついこの間会ったじゃろ、まあよろしく頼む」 「よろしくね、秀吉くん」
ああ、寒気がするよ。まあ秀吉には既に言ってあるからあまり慌ててはないけれど。とりあえずからからと渇いた笑みを出す。女の子にはとりあえず笑うという技術があると思う。
「………先日ぶり、驚いた」 「私も驚いちゃった」
ムッツリ、か。多分わかってるんだろうな。私が俺ってことを。だってそんなに驚いてないもの。馬鹿だったら絶対に気付いてないけれど。
「名字、ちょっといいか?」
坂本に呼び出され、廊下へ出た。私と一緒だと霧島さんにどう影響でるのかな、とほくそ笑む。
「お前は、……いやいい。秀吉も知ってるんだろ?」 「何がですか?」
首を傾げながら、坂本に返す。やっぱり、ばれた。
「言う気はないから、とりあえずあれだ。馬鹿共と仲良くしてやってくれ」
なんのことだかわからないと言う風に見せかけ、俺は彼の耳元で囁いた。
「勿論、だから俺はこのクラスに来たんだよ」 「…そうか」
人をこき使いそうだな、と思いつつも、私は少し楽しみだった。
―――
放課後になり、私は秀吉と一緒に演劇部へ。
「更衣室、入るか。秀吉、一緒に来い」 「なっ…!」
一緒に入らないと怪しまれるだろうが、といい、俺は秀吉と一緒に秀吉専用更衣室に。
「広いだろ、これ」
さすが期待の星とでも言うべきか…?
最初から多難。
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